アリババが提供するクラウドサービスのAliCloudは、中国で初めてGPUを採用したパブリッククラウドサービスとなるという。今回発表されたAliCloud HPCサービスでは、NVIDIA Tesla K40 GPUを使って、HPC、AI、ディープラーニングなどのアプリケーションを実行できる。AIやHPCの分野で急速に成長しているスタートアップ企業などに売り込んでいくねらいだ。

　複雑な作業を自習できる最新のコンピュータ・アーキテクチャに、インターネットで生まれた大量のデータを注ぎ込むAIのブームが世界的に起きている。NVIDIAでは「今回の発表により、そのようなAIブームが加速するだろう」としている。

　人間と同じような方法で学べるインテリジェントなマシンが生まれたことから、さまざまな産業が大きく変わろうとしている。ただ、新しいAIアプリケーションの誕生に必要となるディープ・ニューラル・ネットワークのトレーニングは、処理能力の高いコンピュータを使っても数週間から場合によっては数カ月もかかることがあったという。

　AlibabaとNVIDIAは今後、研究開発のラボも共同で設置することも検討中。GPUアクセラレーテッド・コンピューティングを活用し、AliCloudのユーザーがディープラーニングなどによってHPCアプリケーションを開発するラボになるという。AWSやAliCloudが中国内外IaaS市場におけるプレゼンスを高めるために、GPUへの投資が不可欠と見ていることは間違いなさそうだ。