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- 2016/02/01 掲載
石黒浩 阪大教授が語る、なぜロボットは人型がよいのか?アンドロイドが導く未来とは
なぜ人型である必要があるのか
つまりアンドロイドは人間に洞察を与えるきっかけとなるものであり、これをベースに、さまざまなロボットが作れるようになるということだ。ようやく量産型ロボットも世の中に登場しつつあり、ロボット社会に移行する未来の萌芽も見えはじめた。
ロボット社会というと、まず最初に産業用ロボットがイメージされるが、それ以外にも日常生活で使われるサービスロボットなどが出てくる可能性もある。石黒教授も、次世代のロボット社会を実現すべく、ヒト型ロボットや相互作用型ロボットなどの研究・開発を進めてきた。では、なぜヒト型ロボットが重要なのか。
「その理由は簡単だ。もともと人は、人を認識する脳を持つ。したがって、人に最も関わりやすいのは、人であることは明白だ。そのため、さまざまなインターフェースも、人らしい判断や知覚の能力を持つようにつくるのが理想的といえる」
たとえば、炊飯器や給湯器や冷蔵庫も同様だ。最近の家電製品は、音声やブザーなどによって人に情報を伝えてくれる。お風呂が沸けば、音声で設定温度になったことを知らせてくれるし、冷蔵庫のドアを開け放しにすると、閉めるようにアラートを出す。しかし、30年前には、家電製品が話をすることはあり得ないことだった。それが、いまや目を瞑ると、家庭のなかに何人もの給仕が働いているような状況になっている。
「自動車に乗っても、カーナビが音声でナビゲートしてくれる。うるさいことも多いが、もし機械が人に語りかけなければ、逆に寂しい気持ちにもなる。すでに我々は、こういった世界に慣れている。つまり、人らしいヒト型ロボットも安く生産できるようになれば、受け入れられる土壌が整った」
【次ページ】人らしい存在感でサービスを提供するためのロボット・エージェント
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