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- 2015/11/11 掲載
日本版IHNで原則も変わる!製薬企業の2030年、未来を示す9つの仮説
製造機能はBCMOに集約へ
2030年のヘルスケア NRIの9つの仮説
山田氏は、2030年の製薬業界を考える前提として、「医療供給体制のパラダイムシフト」と「アンバウンドリング・リストラクチャリング」という2つの大きな変化があり、各々にひもづく9つの仮説を立てた。山田氏は「健康データベースに基づくセルフメディケーション」に関するシナリオにおいて、現段階では、健診情報(メタボ情報)、カルテ情報・レセプト情報、健康活動記録、遺伝子情報など、大量データが健保や研究・医療機関に散在しているが、これらが統合・一元管理されると自己責任での健康管理が拡大すると指摘する。
「蓄積された個人の健康情報をベースに、自動診断(セルフメディケーション)が可能になり、個人用健康管理プログラムが立案される時代になることは間違いない。生活者は、この健康管理プログラムに沿って、自己責任で健康を管理するようになる。その活動を積極的に誘導するのは、医療保険や特定保健指導になる」(山田氏)
このような状況で、特に健康管理の資金面での供給は、健康保険が大きな役割を担うようになる。個別の健康管理サービスは、地域包括ケア推進組織(一次医療と介護サービスの緩やかな連合提供組織体)などが主体になって提供される。「このコンテンツ自体の提供者には製薬会社も含まれる。従来のような薬の提供だけでなく、地域包括ケア推進組織を通じて、健康管理プログラムを構築して提供する立場になるかもしれない」(山田氏)。
次の仮説は「先制医療への展開」だ。先進国では非感染症疾病(心臓血管、がん、慢性肺疾患、糖尿病など)による死亡が増加している。山田氏は「非感染症疾病は、遺伝・環境要因の影響が大きいが、今後は病気になりにくい心身をつくる予防医療の進展とともに、疾病リスクを発見して発症前に介入する先制医療への展開が進むだろう。製薬会社は発症前の要因を変える、新しい発想の医薬品開発が求められる」と指摘する。
またITも医療供給体制のパラダイムシフトに関わってくる。「医薬研究データベースとしての活用」という仮説がそれだ。健診情報やカルテ・レセプト情報が、個人の同意に基づいてデータとして蓄積されるようになると、大量の診断と治療の関連性が分かる。治験についても、投薬効果の対比が重要になる。
「その際に医薬研究データベースが有効になるだろう。メガファーマと呼ばれる大手欧米製薬会社は巨額資金があるため、他の製薬会社より有利だが、こういったデータベースを活用することで、中小製薬会社にもチャンスが訪れるだろう」(山田氏)
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