- 2015/05/25 掲載
帝人ら、世界初のシート型ビーコン「PaperBeacon(ペーパービーコン)」を発売
今回、共同開発した「ペーパービーコン」では、世界で初めてビーコン信号を「面」で認識でき、テーブルにスマートフォンやタブレットを置くだけで、座席ごとに特定資料を閲覧できるようにしたり、オーダーをとらずにすぐに料理を注文したりといったことが可能になる。帝人とセルクロスが開発した二次元通信シート「セルフォーム」と、タグキャストのビーコン技術「TAGCAST」を組み合わせることで実現した。
セルフォームは、セルクロスが開発した2次元通信技術「@CELL」と帝人のシート製造技術を用いて開発した2次元通信シート。通信シートに信号を封じ込め、シート表面に発生する電磁波を使って通信する。このシートを用いることで、2次元の「面」で情報を伝播することができ、簡便な接続や情報漏えいリスク少ない通信が可能になる。
セルフォーム自体は既に、千葉大学付属図書館や旭硝子の設計書類室で導入されている。書籍にICタグを埋め込み、入退室データなどと書籍の状態データを組み合わせることで、精緻な活用動向を把握しているという。
3次元空間に伝搬するビーコンの信号を2次元の「面」で伝搬することができ、Bluetooth LEを用いながら、交通系カードなどのNFC(近距離無線通信)のように使用できる。「ウェアラブルなどに応用展開可能な技術」(帝人 新事業推進本部 スマートセンシング事業推進班 班長 平野 義明 氏)という。
これにより、従来のビーコンでは困難だった、大人数が集まるスペースでのテーブルやイス単位の限られた場所の利用特定を実現。たとえば会議場所において、テーブルごとに閲覧可能な資料を制限できる。
また、飲食店の各テーブルに敷設すれば、店員を介することなく、スマートフォン上のアプリから直接厨房に注文を届けると同時に決済を完了させるキャッシュオンデリバリーが可能になる。さらに、学校や塾の机に敷設することにより、出席確認と同時に宿題のチェックができ、個々の習熟度に合わせた宿題をインストールするといった操作が行えるという。
「ペーパービーコン」は、設計および製造を帝人とセルクロス、販売・運用・保守をタグキャストが行い、初年度の出荷枚数としては1万枚を目指す。
価格は、初期費用5,000円。テーブルの位置管理のクラウドサービスと1年間の保守が月額800円。
これまで帝人では、「セルフォーム」を活用して無線LAN用途やRFID棚管理システム「Recopick」を展開してきた。これに加えて、今回のビーコン用途を含め幅広く用途開拓を進めることにより、2019年度には売上20億円へと事業規模の拡大を図っていくという。
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