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  • 2013/10/24 掲載

キリンビールの仕掛け人に聞く、ソーシャルメディアと店舗連携が実現した新時代のギフト提案

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日本を代表する酒造会社 キリンビール。同社が新開発した「GRAND KIRIN(グランドキリン)」は、これまでのビールとは一線を画す新しいビールとして、商品企画や商品開発はもちろん、その販売手法や顧客とのコミュニケーションのあり方まで、従来とは異なる取り組みで販売された戦略商品だ。2012年から行われたソーシャルメディアとセブン-イレブン店頭を連動したGRAND KIRINのセールスキャンペーン「BEER to friends」は、その後予期せぬ効果も生んでいるとキリンビールの山口洋平氏は語る。山口氏にGRAND KIRINの商品企画の意図や背景、そしてそれによってもたらされた効果について話を聞いた。

新しいビール市場を創る!一線を画する商品づくりへ

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キリンビール
マーケティング部 商品開発研究所
新商品開発グループ
山口 洋平 氏
 日本を代表する酒造会社 キリンビール。「キリンラガー」や「一番搾り」「のどごし<生>」などは、日本人なら誰もが知っている身近なブランドだろう。さらに最近は、マイナス5℃のフローズンの泡が話題となった「一番搾りフローズン生」など、ビールの新しい楽しみ方も提案している。

 こうした中、約3年前に開発をスタートした「GRAND KIRIN(グランドキリン)」は、製法からデザインまで、新しいチャレンジが詰め込まれた、これまでのビールとは一線を画す新しいビールだ。GRAND KIRINの特徴について、山口氏は次のように説明する。

「GRAND KIRINは、より特別感のあるビールとして開発した商品です。我々はスペシャリティ・プレミアビールと呼んでいますが、従来のように食事の脇役ではなく、ビールそのものを主役として、時間をかけて味わっていただけるよう、非常に手間のかかる製法で造りました。実際に飲んでいただけると、その重厚な味わいに驚かれると思います。」

 ビールの味を開発した醸造家に言わせると、1時間ぐらいかけてじっくり飲んで欲しいビールだという。

 その1本のビールをしっかりと味わってもらうため、そしてプレミアム感をわかりやすく体現するために採用されたのが、その特徴的なボトルだ。

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スペシャリティ・プレミアビール
「GRAND KIRIN(グランドキリン)」
「通常のビールでは考えられないことですが、わざと口を広くして、飲んだときに香りが広がるようにしました。これもじっくり飲んでもらえるビールだからこそです。また、口あたりを考えて缶ではなく、瓶にこだわりました。一方で、今回はセブン-イレブンで先行発売しましたが、通常コンビニでは高さが長いものは下のほうに埋没してしまいます。そこでGRAND KIRINでは、瓶の高さと幅を500ml缶と同じにしました。並べやすくするとともに、お客さまにすぐに見つけていただけるように工夫しています。非常に重厚感のあるデザインですが、重さは一般的な瓶よりも4割くらい軽くなっています。」

 通常、プレミアムビールといえば、一般のビールよりも年齢層が高い消費者が支持する。一方でGRAND KIRINを支持しているのは圧倒的に20代から30代が多い。これも山口氏は狙い通りだったと説明する。

「現在のプレミアムビール市場は、比較的年齢層の高い方が支持しています。一方で、20代や30代の若者もプレミアムビールを飲みたいとは思っているのですが、悪く言うとオヤジっぽいといった印象を持っています。それに対して海外ビールなどはカッコイイというイメージを持っているのですが、面白いのは、海外ビールはカッコイイのだけど、味については国産ビールの方が安心感が高い。海外ビールのかっこよさはビンの色やラベルにあり、そうしたかっこよさとナショナルメーカーとしての安心感をGRAND KIRINのボトルのデザインに込めたのです。」

 セブン‐イレブンで先行展開したのも、こうした若年層のターゲットを意識したからだった。独身の男性で、しっかりと仕事をしているビジネスマンが仕事帰りに立ち寄るのはコンビニだろう。キリンだけでなく、セブン-イレブン側でも、コンビニで付加価値の高い商品を売っていきたいという思いを持っており、両社の思いが一致した結果先行展開となったのだという。

「実は、GRAND KIRINのプロジェクトに対しては、製品そのものはもちろん、プロモーションも含めて『すべて新しいことにチャレンジする』というのがテーマでした。そのため、新しいビールのカテゴリーを引っ張っていく思いで商品を企画しましたし、プロモーションも新しいビジネスモデルを作るくらいの意気込みで取り組みました。その結果、生まれたのが、『BEER to friends』というキャンペーンでした。」

【次ページ】これからの時代に合わせてギフトも進化
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