- 会員限定
- 2013/10/24 掲載
キリンビールの仕掛け人に聞く、ソーシャルメディアと店舗連携が実現した新時代のギフト提案
新しいビール市場を創る!一線を画する商品づくりへ
こうした中、約3年前に開発をスタートした「GRAND KIRIN(グランドキリン)」は、製法からデザインまで、新しいチャレンジが詰め込まれた、これまでのビールとは一線を画す新しいビールだ。GRAND KIRINの特徴について、山口氏は次のように説明する。
「GRAND KIRINは、より特別感のあるビールとして開発した商品です。我々はスペシャリティ・プレミアビールと呼んでいますが、従来のように食事の脇役ではなく、ビールそのものを主役として、時間をかけて味わっていただけるよう、非常に手間のかかる製法で造りました。実際に飲んでいただけると、その重厚な味わいに驚かれると思います。」
ビールの味を開発した醸造家に言わせると、1時間ぐらいかけてじっくり飲んで欲しいビールだという。
その1本のビールをしっかりと味わってもらうため、そしてプレミアム感をわかりやすく体現するために採用されたのが、その特徴的なボトルだ。
通常、プレミアムビールといえば、一般のビールよりも年齢層が高い消費者が支持する。一方でGRAND KIRINを支持しているのは圧倒的に20代から30代が多い。これも山口氏は狙い通りだったと説明する。
「現在のプレミアムビール市場は、比較的年齢層の高い方が支持しています。一方で、20代や30代の若者もプレミアムビールを飲みたいとは思っているのですが、悪く言うとオヤジっぽいといった印象を持っています。それに対して海外ビールなどはカッコイイというイメージを持っているのですが、面白いのは、海外ビールはカッコイイのだけど、味については国産ビールの方が安心感が高い。海外ビールのかっこよさはビンの色やラベルにあり、そうしたかっこよさとナショナルメーカーとしての安心感をGRAND KIRINのボトルのデザインに込めたのです。」
セブン‐イレブンで先行展開したのも、こうした若年層のターゲットを意識したからだった。独身の男性で、しっかりと仕事をしているビジネスマンが仕事帰りに立ち寄るのはコンビニだろう。キリンだけでなく、セブン-イレブン側でも、コンビニで付加価値の高い商品を売っていきたいという思いを持っており、両社の思いが一致した結果先行展開となったのだという。
「実は、GRAND KIRINのプロジェクトに対しては、製品そのものはもちろん、プロモーションも含めて『すべて新しいことにチャレンジする』というのがテーマでした。そのため、新しいビールのカテゴリーを引っ張っていく思いで商品を企画しましたし、プロモーションも新しいビジネスモデルを作るくらいの意気込みで取り組みました。その結果、生まれたのが、『BEER to friends』というキャンペーンでした。」
【次ページ】これからの時代に合わせてギフトも進化
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR