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ネットとリアル店舗をシームレスに連携し、消費者のさらなる購買活動を喚起しようとする「O2O(オンライン・ツー・オフライン)」。今では多くの企業で多様な取り組みが展開されるようになり、我々の生活にも大きな利便性がもたらされるようになってきた。その一方で、O2Oという言葉がさまざまな場面で用いられるようになり、どういう切り口でこの言葉を捉えるべきか難しい局面も増えてきた。各企業のO2Oへの取り組みを繋いでいけば、どんな未来図が見えてくるのか。市場調査を通して将来予測を行うESP総研の代表取締役 村岡 正悦 氏に聞いた。
クリック&モルタルの時代から急速に進歩したITが、O2Oを可能にした
──今年に入って御社では『O2Oがもたらす変革/将来予測に関する市場調査』を発刊されましたが、まずO2Oそのものについて御社ではどのように捉えられているのでしょうか。
ネットとリアル店舗との融合については、約10年前にクリック&モルタルという言葉が登場しましたが、現在のO2OはITの急速な進歩を基盤にしているという点で、クリック&モルタルとは異なるものだと考えています。
スマートフォンやタブレット端末の普及によって利用可能なデバイスは多様化し、さらにフェイスブックなどに代表されるソーシャルメディアが、消費者や企業が日常的に利用するプラットフォームとして定着しました。またWebサイトのアクセスログやソーシャルメディア上の投稿データを含むいわゆるビッグデータの収集/蓄積/分析/活用も、ITの進歩によって可能になりました。
こうしたITを駆使することで、企業もしくは店舗では、色んな場所/色んなデバイスからネットにアクセスする消費者一人一人の動線を、現在の位置情報も含めて把握できるようになってきています。
また昔は店がクーポンを発行するといっても、個人のPCアドレス宛にクーポンを表示するためのURLを記載したメールを送り、それを消費者に紙でプリントアウトして店に持ってきてもらうという形態でしたが、今ではペーパーレスで、クーポンを表示させたスマートフォンの画面を店舗で見せるだけで済みますし、利用履歴も把握できます。メールを受け取る場所も自宅のPCに限定されることはありません。
さらに別の視点から見れば、ショールーミング(店舗をショールームにして商品を見るだけで、購入はネットショップから行うこと)といった購買活動が表れるなど、消費者の意思決定プロセスも変化し、企業/店舗側にもビッグデータを活用したマーケティング手法を確立するといった動きが出てきています。
つまりクリック&モルタルの時代に比べてIT技術が著しく進化したことで、消費者の利便性は大きく高まり、店舗側が情報を届けるための手法やチャネルの幅も大きく広がってきているということです。
O2Oイノベーションは4つのフィールドで拡大していく
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