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- 2023/05/26 掲載
「新宿東口の猫」の広告効果も計れる? 広がる「裸眼3D広告」が変えた、屋外広告の常識
東京でも広がる「3D広告」、なぜ裸眼で立体に見える?
東京のあちこちに不思議な屋外広告が登場している。新宿、渋谷、表参道などに設置されている屋外広告ディスプレイでは、キャラクターや商品が画面から飛び出てくる。特殊なメガネもゴーグルも必要なく、裸眼で3D効果がある。このような裸眼3D屋外広告が2021年から広がりを見せている。東京の主な裸眼3Dディスプレイ
名称 | 場所 | 運営 | 設置時期 |
クロス新宿ビジョン | 新宿駅東口 | クロススペース | 2021年7月 |
OMOSANシンクロ | 表参道 | ヒット | 2021年10月 |
ハビウル渋谷 | 渋谷 | アビックス | 2021年11月 |
GREEN SPRINGSビジョン | 立川 | グリーンスプリングズ | 2021年12月(期間限定) |
3D BIGBOSSビジョン | 渋谷 | ガーデン | 2022年3月 |
この3D広告が裸眼で立体に見えるカラクリには2つのポイントがある。
1つは、立方体の2つの側面を利用したディスプレイになっていること。コンテンツは3Dモデルで制作しておき、これを立体の2つの側面に投影する形で映像を制作する。そのため、特定の場所から見ないと立体効果は得られず、ゆがんだ映像が見えることになってしまう。ディスプレイを設置する時に、どの場所から見せるのかを考慮した設計が重要になる。一般的には交差点の横断歩道前や待ち合わせスポットなど、人が滞留する場所から見た時に3D効果が得られるようにする。
もう1つのポイントが騙し絵効果だ。あらかじめディスプレイの端を使用せず、ビルの壁面であるかのように見える映像を表示しておく。そこはディスプレイではなく、ビルの壁面なのだと錯覚を起こし、飛び出すオブジェクトをその部分をオーバーラップするように表示する。これで飛び出し効果が強調され、本当にオブジェクトがディスプレイの外に飛び出てきているのではないかと錯覚することになる。
ブームの起因は韓国デザイン企業の公共アート
このような裸眼3Dディスプレイを始めたのは、韓国ソウル市にあるエンターテイメント企業「SMタウン」本社前のディスプレイだ。この裸眼3Dディスプレイを使って、2020年4月に「WAVE」という公共アート展示が行われた。巨大な水槽の中で水が波打つ様子が3Dで再現された。このメディアアートを制作したのは、韓国のデザイン企業「d’strict」。2021年7月にはニューヨークのタイムズスクエアを渓谷に見立て、ビルから滝が流れてくる「Waterfall-NYC」を、2022年8月には3Dディスプレイで映像を再生し、そこにパフォーマーの動きをリアルタイムで合成するという不思議な公共アート「CITY」を展示している。
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