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- 2015/03/03 掲載
基幹システムが足かせ、再生の方法は?日本のCIOが注目すべき3つの方向性を解説
CIOが注目すべき8つのトレンド
ホワイト氏によれば、この調査では大きく3つのルールを設定してトレンドをピックアップしているという。1つめは、ビジネス主導型であるということ、2つめは意図的に時間軸を1年半から2年程度にするということ(つまり実現に2年以上かかるものは対象とならない)。3つめは、少なくとも3つの企業での取り組み事例があること。
このルールに基づいて提示されたのが、以下の8つのトレンドだ。
- チーフ“インテグレーション”オフィサーとしてのCIO
- APIエコノミー
- アンビエントコンピューティング(Ambient Computing)
- ディメンショナルマーケティング(Dimensional Marketing)
- すべてがソフトウェア定義(Software-defined)に
- コアルネッサンス(Core renaissance)
- 知能増幅(Amplified intelligence)
- 未来のITワーカー
チーフ“インテグレーション”オフィサーとしてのCIO
これら8つのうち、3つが特に注目のトピックだという。その1つめが、チーフ“インテグレーション”オフィサーとしてのCIOだ。ホワイト氏は、「CIOに追加的な役割が爆発的に増えている」と指摘する。たとえば、CDO(Chief Digital Officer)としての役割、あるいはCDO(Chief Data Officer)やCIO(Chief Innovation Officer)、CCO(Chief Customer Officer)としての役割だ。「CIOは、ほかの人たちを成功に導くための重要な役割を担うことになる。なぜならCIOは最終的な“データ”を握っている立場だからだ。これからのCIOには、コンセンサス、セキュリティ、チームワークといったスキルが求められる」
CIOには、チーフインテグレーション(統合)オフィサーとしての役割が増すというのが、ホワイト氏の考えだ。
Software-definedでコスト削減につなげる
2つめは、テクノロジーに関するところで、すべてがSoftware-defined(ソフトウェア定義)になるということ。なぜSoftware-definedが必要なのか。ホワイト氏は「コストを下げていくため、複雑性を取り入れて、ビジネスの要求に応えていくため」と説明する。実際、同社の試算によれば、Software-definedによって、システム全体で31%もの削減につながるという。調査では、「クラウドを使っていくことで、インフラの効率化以上に、ビジネスの対応力が上がることが調査に参加した人々のもっとも大きな関心を集めた」。
クラウドは現在、エントリーポイントになっており、特にパブリッククラウドが主流になっているという。
IoTを進化させたアンビエントコンピューティング
アンビエントを直訳すると、包囲した、取り巻くの意味。具体的にはIoTをさらに進めるイメージで、身の回りにあるセンサーやネットにつながった機器と、データ分析手法を組み合わせることで新たな知見を得る考え方のこと。AI(人工知能)や、トレンドの7つめ「知能増幅」にも関連しているテーマで、事例としてはいくつかあるという。
ある海外のヘルスケアプロバイダでは、コールセンター3000人が電話対応し、各人が20分の通話を実施していたという。ここにIBM Watsonを導入し、短時間で質問に答えられる仕組みを用意した。
しかし、人をすべて置き換えることはできなかった。これは技術の制約があったわけではない。利用者が、医師、あるいはナースと直接、相談したかったからなのだという。「AIが人間にとって代わることができるか?というとノーだった」。
そのため、2年という期間区切りでみれば、AIはルーチンの部分に使われていくもので、人間が例外に対応するための「増幅された知能(Amplified intelligence)」であるという。
【次ページ】日本企業が進むべき3つの方向性
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