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- 2014/09/08 掲載
枯れたVBアプリを生かす方法はあるのか?移行に4つの方法と課題
連載:ビジネスを加速するUX時代の企業Webシステム
“ハシゴをはずされた”VB6.0アプリケーション
人々がこのテクノロジーを知る以前、ITはクライアント/サーバ型システムといわれるものか、スタンドアロン型システムで動いていた。前者は複数のクライアント端末と、それらを面倒見るサーバから構成され、後者は単独のマシンで完結して動く。
実際のアプリケーション開発には複数のベンダーが統合開発環境といわれる開発ツールを提供したが、そこでプログラミング言語として代表的だったのが、マイクロソフトのVisual Basic(以下、VB)である。日本に登場したのは1990年代初め。クライアント/サーバ型システムの隆盛とともに、ほぼ2年ごとにメジャーバージョンアップ版が登場。2000年代に入るまでは多くの業務システムが量産された。
しかし、2002年、.NET Frameworkに対応したバージョン7.0が発表される。ここで抜本的な仕様変更が行われ、以前のバージョンと互換性がなくなってしまった。さらに2008年4月には、VB6.0の延長サポートの期間も終了している。ただし、マイクロソフトは、VB6.0アプリケーションが、Windows Vista、Windows Server 2008、Windows 7上で、そのまま動作することの互換性提供はサポートしている。
現役続行は可能だが、そこに大きな潜在リスク
だから、ただちに困ることはない。業務の内容や運用体制に変化がないのであれば、という条件つきにはなるが。今でも、ときどき小売店などで旧来版のVBで開発された業務管理システムを見ることがある。さすがにGUI画面の作りは年代を感じさせるが、店はそれで仕事をすることにまったく不自由を感じていないようだった。消費税対応など法改正に伴うシステム変更は必要だと思うのだが、たぶん自社のリスクでメンテナンスしてくれる業者がそばにいるか、店主自らメンテナンス可能なのだろう。
そう、周囲にVB6.0システムの維持を助けてくれる環境があるならいい。しかし、それは年々減り続けている。ハードウェアをリプレースしようとするたび、クライアント環境のアップグレードが必要になるたび、サーバベンダーやシステムインテグレータの渋面と戦わなければならない。
VB6.0が出てからもう16年も経っているから、彼らの立場もわからなくはない。スキルを維持し続けるには、それなりのコストがかかる。新しいテクノロジーに精力を傾けた方がビジネスにもなる。
彼らが助けてくれないとなると、VB6.0システムは大きな潜在的なリスクを抱えることになる。何かトラブルが発生したら、アプリケーションをデータともどもそっくり失うことになる。
【次ページ】VB6.0アプリケーションの未来 4つの選択肢
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