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- 2014/04/24 掲載
Windows Server 2003サポート終了の概要と、4つの対応方法
【連載】Windows Server 2003サポート終了(1)
サポート終了まで1年あまり、36万台のサーバが残る
古くからマイクロソフト製のOSを使っている方であればご存じだと思うが、マイクロソフトのOSは、3年周期でメジャーバージョンアップするように計画されていた。
にもかかわらず、Windows Server 2003が異例の5年間も主力の座についていたのは、製品の出来が良かったからではなく、脆弱性を突かれ、さまざまな攻撃を受けたWindows OSの構造を根本から見直し、セキュアなOSとして生まれ変わらせるための開発に時間がかかったからだ。
長期間提供されたサーバOSなので、10年前のOSであるにもかかわらず、今でも数多くの環境でWindows Server 2003が稼働している。
実際、IDC Japan調査の国内x86サーバ稼働台数予測OS別シェア2013によれば、2013年第2四半期時点で日本国内で稼働しているサーバ223万台のうち、Windows Server 2003搭載のサーバは約36万台と、およそ16%の割合にのぼる。
サポート終了を迎える2015年7月15日にはこの数は大幅に減少するだろうが、現在これだけの台数が残っているところをみると、サポート終了に対して何も対策を立てずに残存するサーバもそれなりの台数になることが容易に想像される。
Windows Server 2003のサポート終了
サポート終了後の対応を論ずる前に、そもそもマイクロソフトのサポートとはどんなことをしていて、何がサポートされなくなるのかをおさらいしておこう。まず、Windows OSのサポートには、「メインストリーム サポート」と「延長サポート」の2種類が存在している。
「メインストリーム サポート」は、現役製品としてのサポート期間で、セキュリティ更新だけではなく、OSとしての不具合対応であったり無償サポートが提供されている期間だ。
これに対し、「延長サポート」は退役前のサポート期間で、セキュリティ更新と有償サポート以外のサポートが停止する。
サポートの種類 | メインストリーム | 延長サポート |
仕様変更、新機能のリクエスト | ○ | × |
セキュリティ更新プログラム サポート | ○ | ○ |
セキュリティ関連以外の修正プログラムの作成の新規リクエスト | ○ | ☆ |
無償サポートライセンス、ライセンス プログラムおよび、その他の無償サポートを含む | ○ | × |
有償サポート (インシデント サポート、時間制サポート) | ○ | ○ |
また、Windows Server 2003および、Windows Server 2003 R2に関するサポート期間は以下のようになっている(日付はいずれも米国日時)。
製品名 | ライフサイクル開始日 | メインストリーム サポート終了日 | 延長サポート終了日 | サービス パック サポート終了日 |
Windows Server 2003 Datacenter Edition (32-bit x86) | 2003/5/28 | 2010/7/13 | 2015/7/14 | 2007/4/10 |
Windows Server 2003 Datacenter Edition for Itanium-Based Systems | 2003/6/19 | 2007/4/10 | ||
Windows Server 2003 Datacenter x64 Edition | 2005/5/28 | 2009/4/14 | ||
Windows Server 2003 Enterprise Edition (32-bit x86) | 2003/5/28 | 2007/4/10 | ||
Windows Server 2003 Enterprise Edition for Itanium-based Systems | 2003/6/19 | 2007/4/10 | ||
Windows Server 2003 Enterprise x64 Edition | 2005/5/28 | 2009/4/14 | ||
Windows Server 2003 Standard Edition (32-bit x86) | 2003/5/28 | 2007/4/10 | ||
Windows Server 2003 Standard x64 Edition | 2005/5/28 | 2009/4/14 | ||
Windows Server 2003 Web Edition | 2003/5/28 | 2007/4/10 | ||
Windows Server 2003 R2 Datacenter Edition (32-Bit x86) | 2006/3/5 | 2009/4/14 | ||
Windows Server 2003 R2 Datacenter x64 Edition | 2006/3/5 | 2009/4/14 | ||
Windows Server 2003 R2 Enterprise Edition (32-Bit x86) | 2006/3/5 | 2009/4/14 | ||
Windows Server 2003 R2 Enterprise x64 Edition | 2006/3/5 | 2009/4/14 | ||
Windows Server 2003 R2 Standard Edition (32-bit x86) | 2006/3/5 | 2009/4/14 | ||
Windows Server 2003 R2 Standard x64 Edition | 2006/3/5 | 2009/4/14 | ||
この表を見ていただくとわかるように、R2を含むWindows Server 2003ファミリーすべての延長サポートが2015年7月14日(日本時間では15日)に終了することになっている。
それでは延長サポートが終了するということはどういうことであろうか?
延長サポートが終了すると、まず延長サポートで提供されていた「セキュリティ更新」と「有償サポート」のサービスが停止する。つまり、マイクロソフトから毎月提供されているWindows Updateなどが停止され、何か問題が起きた時のサポートも受けられられなくなる。
また、忘れてはならない点として、Windows Server上で動作しているソフトウェアや周辺ハードウェアを提供している他のメーカーも、マイクロソフトの公式サポート終了に合わせて、各種サポートを終了する可能性が挙げられる(ただし、逆にサポートを終了したサーバをサポートしてくれるというサービスも出てくる可能性がある)。
・セキュリティ更新プログラムの停止
・問題発生時のマイクロソフトのサポートが受けられない
・他メーカーの製品サポート終了の可能性
【次ページ】サポート終了に対応する4つの方法
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