- 会員限定
- 2014/07/23 掲載
トヨタ自動車 加藤光久 副社長が語る「もっといいクルマづくり」を支える技術と仕組み
トヨタの「もっといいクルマづくり」とは?
第25回設計・製造ソリューション展の基調講演に登壇した加藤副社長は「トヨタは、趣味・感性に特化したスポーツカー、量販車・一般向けのクルマ、商用車、エコカーなどの次世代車やコンセプトカーにゾーン分けして“いいクルマ”を考えている。ゾーンごとに求められる要件は異なるが、いずれもお客さまに満足していただけて、常にトップにあり続けることが“いいクルマ”の条件だ」と説明した。
グローバル展開するうえで、地域ニーズは多種多様であり、その声にも現地法人が的確に応えていかなければならないが、ベースとなる品質・環境・安全性能は基本的な項目であり、どのゾーンのクルマでも、どの地域でも共通する。
この点での同社の方針は、クルマ自体の安全性と、交通安全維持、交通環境整備という3身一体の取り組みによって、より効果的な事故対策を施すことだという。実際の事故に学び、対策を考えて、クルマの開発サイクルに織り込む実安全の追及も求められる。
「我々は、駐車支援から、事故を未然に防ぐ予防安全、事故直前のプリクラッシュ、事故時の被害を軽減する衝突安全、事故後の救助に至るまで、最適な支援をする“統合安全コンセプト”に沿って技術開発を進めている。そのためには各安全システムが単独で機能させるだけでなく、相互の連携が求められる」
国内の交通事故を見てみると、2013年の年間事故件数は約63万件にも上った。そのうち約7割が追突・出合い頭・歩行者事故で占められているそうだ。
これらの事故対策のために、トヨタではさまざまな施策を凝らしてきた。追突事故では、衝突時のショックを和らげるシートや、自動ブレーキ・警報などのプリクラッシュシステム(以下PCS)の向上に努めてきた。
「たとえば、レクサスLSに導入した歩行者追突回避PCSでは、夜間でも歩行者を検出し、速度を40km/hまで減速させる自動ブレーキによって衝突を未然に防ぐ。今後は大幅なコストダウンを図り、これを幅広い車種に搭載していく予定だ」
「我々は2012年にITS実験場を設置し、運用を開始している。すべてのドライバーが熟練者のように運転できる高度運転支援システムを提供したい。さらに本システムを実現するために1990年後半から自動運転技術にも取り組み、数年前から米国で公道実験を行ってきた。現在ではフリーウェイでの自動走行や、交差点・分流・合流での対応も可能になった」
加藤氏は、2010年半ばに実現する高度運転支援システムの事例として「通信利用レーダークルーズコントロール」(RCC)と「レーントレース・コントロール」(LTC)について紹介した。
RCCは、ミリ波レーダーと車車間通信によって、先行車と走行レーンを認識・判断し、設定速度内で車間距離を保ちながら同期・追従するシステムだ。
一方のLTCは、白線・道路形状の認識技術を応用したもので、高性能カメラとミリ波レーダーなどによって、適正な走行ラインを算出し、そのラインに沿って、ステアリング・アクセル・ブレーキを制御しながら、安定感のある走行を実現する。
「自動運転技術に代表される自律型技術だけでなく、ITSの通信技術を活用した“つながる技術”と合わせ、より安全な次世代交通システムに育てたい」
【次ページ】「Toyota New Global Architecture」(TNGA)の取り組み
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR
今すぐビジネス+IT会員にご登録ください。
すべて無料!今日から使える、仕事に役立つ情報満載!
-
ここでしか見られない
2万本超のオリジナル記事・動画・資料が見放題!
-
完全無料
登録料・月額料なし、完全無料で使い放題!
-
トレンドを聞いて学ぶ
年間1000本超の厳選セミナーに参加し放題!
-
興味関心のみ厳選
トピック(タグ)をフォローして自動収集!
投稿したコメントを
削除しますか?
あなたの投稿コメント編集
通報
報告が完了しました
必要な会員情報が不足しています。
必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。
-
記事閲覧数の制限なし
-
[お気に入り]ボタンでの記事取り置き
-
タグフォロー
-
おすすめコンテンツの表示
詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!
「」さんのブロックを解除しますか?
ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。
ブロック
さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。
さんをブロックしますか?
ブロック
ブロックが完了しました
ブロック解除
ブロック解除が完了しました