- 2012/11/28 掲載
日立、グローバルSCMのコスト算出技術を開発 調達・生産・保管など拠点配置を最適化
従来、拠点配置の検討の際には、人件費や輸送費、工場の固定費といった特定の条件を対象にトータルコストを評価できる設計ツールを利用して配置の選定を行っていた。しかし、今後一層のコスト低減を図るには、原料調達や生産、輸送にかかるリードタイムをはじめ、工場の敷地面積や生産能力、製品の輸送経路やコンテナサイズ、工場などが置かれた多国間の為替など、さまざまな条件(パラメータ)を基に、サプライチェーン構成全体に関わるコストが最小となるような拠点配置を見出すことが必要となる。
さらには、稼働率の高い製造ラインを構成して固定費を削減することや、自国への投資促進の目的で導入されている特恵関税率をパラメータとして用い、配置を選定することも求められている。
しかし、このような多岐にわたるパラメータに基づく評価を行った上で最適な拠点配置を設計するためには、計算時間の短縮が大きな課題となっていた。
そこで日立は、トータルコストの評価技術に新たなモデルを導入。独自に開発した計算アルゴリズムを適用した。今回開発した拠点配置の最適化技術では、拠点配置のためのさまざまなパラメータに加え、工場内の製造ラインの構成や特恵関税率を含めて設定することができ、サプライチェーンにおけるトータルコストの評価が可能になる。
工場の敷地面積に対する製造ラインの割り付けには、パッキングモデルを導入した。パッキングモデルとは、食料品の袋詰めを模擬したもので、容量が一定の袋の中に、容量の範囲内で詰め込み可能な食料品の種類を求めることのできる数式モデルのこと。
このモデルに、今回新たに開発した計算アルゴリズムを適用することにより、無数にある製造ラインの構成パターンの中から、製品を多く生産し、設置面積や費用を小さくするといった観点から、最適な製造ライン構成パターンを短時間で見出すことが可能になったという。
日立は、今回開発した拠点配置の最適化技術をもとに、グローバル展開する企業のサプライチェーンマネジメントソリューションを提供していくという。
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