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- 2024/10/01 掲載
【独自】ドコモ前田新社長を直撃、シェア回復なるか?2024年以降の反転戦略
連載:デバイス新潮流
「そろそろ限界」なドコモのシェア低下
NTTドコモは日本で最大の市場シェアを誇る携帯電話会社だ。しかし、iモード全盛の頃に6割近くを占めていたシェアは年々低下し、総務省の資料によると、2023年12月末時点のシェアは34.9%まで下がっている。ちなみに、KDDIは26.8%、ソフトバンクは20.4%、楽天モバイルは2.6%、さらにMVNOは15.2%。
競争を促す政策によってユーザーの囲い込みが難しくなったこと、「サブブランド」や「格安スマホ」など、割安なサービスが増えてきたことの影響で、圧倒的に多かったドコモのユーザーは他社に流れるトレンドが長く続いてきた。
ドコモのシェア1位はまだ当分維持されるだろうが、NTTグループの持株会社である日本電信電話の島田 明社長にとって、この状況は「そろそろ限界」で、これ以上シェアを減らさないことを重視していくようだ。
かつての栄光はどこへ?無念すぎる、通信品質の評価
前田社長はどのようにしてシェア低下を止め、さらには回復していくのか。前田氏は社長就任会見で「お客さま起点の事業運営」を行うとし、重点項目としてまず「通信サービス品質の向上」を挙げた。ドコモは2023年初頭から通信品質の低下が指摘されている。
モバイルネットワーク品質を分析する英国Opensignal社の2024年4月の調査報告でも、5Gのエリアカバレッジこそ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルを抑えてトップの成績を残しているが、ビデオやゲーム、音声アプリの体験を評価する「5Gエクスペリエンス」や、HDビデオ視聴やビデオ会議、ゲームプレイに必要なしきい値を満たしているかどうかを評価する「一貫した品質」では、3社の後塵(こうじん)を拝している。
3社は、ことあるごとにOpensignalの調査結果を持ち出して通信品質の高さをアピールしている。ソフトバンクに至っては「山手線周辺で一番快適につながる」と宣言する特設サイトを公開しているほどだ(2024年9月下旬現在)。3G、4Gでは日本一の通信品質と見なされてきたドコモにとって、この状況は無念だろう。
前田氏は社長就任後、早々に山手線の通信品質調査に同行。それも1度きりではなく、複数回行っている。インタビューでは「地方にも行く」と断言していた。 【次ページ】“真の5G”が本格展開?「今年度末までに」品質の改善を約束
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