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- 2024/02/09 掲載
ソフトバンク「月々1円」端末のカラクリ、スマホ割引規制でもなぜ可能か?
連載:デバイス新潮流
スマホの割引上限規制が改正、割引上限が4万4,000円に
2023年末、家電量販店の携帯電話売り場では、12月26日までの購入を促すポスターが目立つように貼られていた。これは、総務省の「日々の生活をより豊かにするためのモバイル市場競争促進プラン」や、競争ルールの検証に関するワーキンググループが公表した「競争ルールの検証に関する報告書2023」を受けて、スマホの割引上限規制が2023年12月27日に改正されることが決まっていたからだ。
それまで携帯電話端末の割引額は、上限が税込み一律2万2,000円だったが、それが原則4万4,000円までに引き上げられた。なお、4万4,000円から8万8,000円までの端末は価格の50%、4万4,000円以下の場合は2万2,000円が上限になっている。
割引額が上がったのだから端末を安く購入できるようになるように思えるが、そう単純ではない。というのも、端末単体の購入で割引される、いわゆる「白ロム割」も規制対象になったからだ。回線契約とセットで販売する端末は、すべての割引を含めて上限が4万4,000円となった。
「白ロム割」が不可、“一括”「1円端末」は消滅へ
これまで一括1円や数十円、数百円で端末を購入できたのは、白ロム割があったから。今回のガイドライン改正では、この白ロム割も割引上限規制の範囲に含めることとなり、結果、4万4,000円以上の端末割引はできなくなった。結果的に“一括”「1円端末」は不可能になる。そこで、家電量販店はお得にスマホを買うなら「12月26日までに!」と叫んでいたわけだ。ただ、多くのユーザーはスマホを分割払いで購入している。24カ月後などに端末をキャリアに返却することで実質負担金を抑える端末購入補助プログラム(ドコモは「いつでもカエドキプログラム」、auは「スマホトクするプログラム」、ソフトバンクは「新トクするサポート」、楽天モバイルは「楽天モバイル買い替え超トクプログラム」)を利用して端末を購入している人がほとんどだろう。
これらの購入補助プログラムは、車の購入でもおなじみの残価設定型ローンとほぼ同様。最近は残価を高く設定してユーザーの実質負担額をさらに抑えるプログラムが適用されている端末もある。設定されたタイミングで忘れずに端末をキャリアに返却してしまえば、ユーザーが払う金額は非常に安く済む。
ただ、ガイドライン改正で、購入補助プログラムによる割引も上限規制に関わってくるようになった。ガイドラインにのっとって、各社は将来の端末買取予想価格をWebサイトに掲載しているが、その価格と一般的な中古端末の買取価格との差額が割引として見なされるようになった。
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