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10月に登場したグーグルの最新スマートフォン「Pixel 8」シリーズ。ディスプレーやカメラが進化しているが、最も注目されているのがAI関連機能だ。スマートフォンとは思えないような高度な画像編集が可能で、生成AIによって被写体を動かしたり、大きさを変えたりすることもできる。先日発表されたクアルコムの最新チップセットも生成AI対応をアピールしており、多くのAndroidスマートフォンメーカーが採用予定だ。ソフトバンク孫氏、KDDI髙橋社長も語るように、2023年度末から24年度のスマートフォンはAIがキーワードになりそうだ。
円安には逆らえず…3万円以上値上がりした最新Pixel
グーグルが自ら開発し、販売するAndroidスマートフォン「Pixel」シリーズの最新版「Pixel 8」と「Pixel 8 Pro」が10月に発売となった。
Pixelシリーズはグローバルで販売されているが、特に日本での人気が上昇している。香港の調査会社Counterpoint researchによると、グーグルは2023年第1四半期にシャープを抜き、日本のAndroidスマートフォン市場のメーカー別シェアで1位となった。
また、同じく第1四半期において、Pixelシリーズの国別出荷台数シェアで日本が34%と1位だった。コロナ禍以降、新しいPixelが登場する折りには、グーグルから担当者がわざわざ来日して日本の報道関係者に説明する機会が設けられており、期待の大きさがうかがえる。
ただ、BCNの調査によると、販売についてはPixel 7/7 Pro発売直後の動きよりも
鈍いようだ。要因の1つは価格が上がったことだろう。Pixel 8/8 Proは、Pixel 7/7 Proの発売時価格より上昇している。
グーグル ストアの価格で比較すると、Pixel 7(128GB)が8万2,500円(税込み。以下同)だったところPixel 8は11万2,900円、Pixel 7 Proが12万4,300円だったところPixel 8 Proは15万9,900円と3万円以上値上がりしている。
米国での価格も上がっており、高機能化や部品の値上がりが影響している部分もあるが、さすがのグーグルも円安にはあらがえなかったようだ。
注目は、例年通りなら来年5月に登場する廉価版の「Pixel 8a」がどうなるかだ。Pixel 6aやPixel 7aは標準やProモデルと同じTensorチップを使っているため、それほど使い勝手に差がなく、なのに5万円台、6万円台という非常に買いやすい価格。Pixel 8aが登場すれば、Pixel 8/8 Proより安くなるのは確実で、それを待っているユーザーは多そうだ。
Pixel 8シリーズはさらに生成AIが進化
Pixel 8シリーズの特徴として、標準モデルのPixel 8はディスプレーが小さくなるに伴って前モデルよりも一回り小さく、軽くなった。両モデルともカメラのスペックが全般的に向上し、Pixel 8 Proには温度センサーが搭載されたり、撮影時の細かい設定が可能な「プロ設定」がカメラに追加されたりと、さまざまな部分で進化しているが、最大のポイントは「AI」だ。
Pixel 8/8 Proとも、プロセッサは新たにTensor G3が搭載され、グーグル AIの最先端技術を利用できる。Pixel 6に搭載された第1世代のTensorと比較すると、Pixel 8シリーズはデバイス上で2倍以上の機械学習モデルを処理できるという。
そのパワーを活用して、音声、動画、写真に驚くような機能が追加されている。たとえば写真に写り込んだ不要なものを消してしまう「消しゴムマジック」がアップデートされ、生成AIによって被写体の位置や大きさを変更したりして、本来撮りたかった写真に仕上げることができる「編集マジック」も近日提供予定だ。
スマートフォンという小さなデバイスの中で、ハイスペックなパソコンで行うような処理が指1本で簡単にできてしまうことに驚かされる。
【次ページ】ソフトバンク孫氏、KDDI髙橋社長語るAIの進化とスマホ
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