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- 2023/03/04 掲載
ソニーのスマホ「Xperia」は世界でどう戦うか 十時新社長が重視?世界初の“あの機能”
連載:デバイス新潮流
Xperia事業、これまでの厳しい道のり
日本のユーザーから高く支持されているソニーのスマートフォン「Xperia」。とはいえ事業的に順風満帆だったというわけではない。2017年から2018年に販売されていた「Xperia XZ」シリーズは、機能面でスマートフォンのトレンドに乗り遅れ、販売台数も減少するなど苦戦していた。それが2019年から「Xperia 1」「Xperia 10」など、現在に続くシリーズを投入して反転攻勢に乗り出す。フラッグシップモデルのXperia 1シリーズは「好きを極めたい人」に高評価を得て、ミドルレンジのXperia 10シリーズは、Xperiaらしさをリーズナブルに味わいたいと思う多くの人たちが購入している。
2021年上期は、国内スマートフォンの出荷台数シェアでソニーがAppleに次ぐ2位に(MM総研調べ)。
「Xperia 10 III」や「Xperia Ace II」といったミドルレンジやエントリーモデルの販売が非常に好調だったと言う。とはいえ、2021年通期ではApple、サムスン電子、シャープに次ぐ4位、2022年通期は「arrows We」がバカ売れしたFCNTに抜かれ5位だった。ただ、決算情報を見る限り、ソニーのモバイル事業は、目覚ましいとは言えないものの安定しているようだ。
ソニーグループ新社長十時氏は、どのようにかじをとるか?
ソニーは21年度からスマートフォンの販売数を非公表にしているが、2022年第3四半期、モバイル事業を含むエンタテインメント・テクノロジー&サービス(ET&S)分野の売上高は、前年同期比10%増の7528億円、営業利益は1%増の811億円となっている。ソニーのビジネスは、音楽や映画、ゲームといったエンタテインメントコンテンツを作り、それを消費してもらうこと。また、コンテンツを作る人たちが使う道具も提供している。Xperiaは、聴く、視聴する、プレイするといったエンターテイメントを消費する道具であるととともに、写真や動画を撮影してエンタメコンテンツを作成する道具でもある。ソニーの事業を広くカバーする存在であり、外せない重要な製品であることは確かだ。
4月1日からはソニーグループの新社長に、現副社長兼CFOの十時裕樹氏が就任する。十時氏は2014年から18年まで、ソニーモバイルコミュニケーションズの社長を務めた。モバイル事業の厳しさを身を持って体験してきた十時氏が、今後どのようなかじ取りを行っていくのか注目したい。 【次ページ】Xperiaが抱える大きな課題…Xperiaが飛躍するためには?
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