記事 物流管理・在庫管理・SCM 不始末だらけの「アマゾン宅配」、それでも配達員に「ミスを伝えない」謎すぎる方針 不始末だらけの「アマゾン宅配」、それでも配達員に「ミスを伝えない」謎すぎる方針 2024/11/07 45 今やアマゾンは日本社会において欠くことのできない企業の一社であり、その社会的責任は極めて大きい。しかし、企業のエゴを突き通そうとすると、「物流の2024年問題」を筆頭とする物流クライシスを加速させ、日本社会をさらに疲弊させかねないと懸念する。事実、都市部にあるタワーマンションでは、配達に多大な手間と時間がかかるため、タワマン地獄として問題視されている。政府が「物流革新」政策に本腰を入れて推し進める中、アマゾンは善良なる仲間なのか、それとも日本社会に害を及ぼす存在なのか。今、その真価が問われている。
記事 物流管理・在庫管理・SCM 石破内閣がぶち上げた「サプライチェーン強靭化」、なぜ今「国内回帰」が必要なのか? 石破内閣がぶち上げた「サプライチェーン強靭化」、なぜ今「国内回帰」が必要なのか? 2024/10/25 31 10月27日に衆議院議員選挙の投開票を控える石破 茂首相は所信表明演説で、半導体といった重要産業におけるサプライチェーンの国内回帰を含む強靭化などの方針を示しました。過去の本連載では、半導体のサプライチェーンとその大規模な不足のメカニズムについて解説していますが、今回はなぜ今、日本がサプライチェーンの国内回帰を目指すべきなのかについて、サプライチェーンデザインという観点を踏まえて掘り下げたいと思います。
記事 物流管理・在庫管理・SCM トヨタやWindowsなど頻発する「システム障害」、知らなきゃマズイ「3種のリスク」とは トヨタやWindowsなど頻発する「システム障害」、知らなきゃマズイ「3種のリスク」とは 2024/09/10 1 自社の顧客やサプライヤー、物流会社といったサプライチェーンパートナーがグローバルに広がる中、互いにシステムを連携させて情報のやり取りを効率化させる企業が増えています。その一方、システム障害やサイバー攻撃が起きた際には被害が甚大化しやすいといった副作用をもたらしています。最近では、米クラウドストライクのセキュリティソフトの不具合によるWindowsの大規模障害が記憶に新しいでしょう。こうした事態は次にいつ自社で起きてもおかしくありません。これらの備えとして、企業はサプライチェーン全体でリスク管理を行う必要があります。そこで今回はこの「デジタルサプライチェーン」における3種類のリスクと管理手法について解説します。
記事 災害対策(DR)・事業継続(BCP) AI予測が「高精度」とは言い切れない納得理由、台風10号に学ぶ「予測情報の生かし方」 AI予測が「高精度」とは言い切れない納得理由、台風10号に学ぶ「予測情報の生かし方」 2024/08/29 台風10号が非常に強い勢力を持って、日本を直撃しています。特に九州や中四国への大きな影響が懸念されていますが、大阪や神戸まで進路が入った場合は被害額が2.9兆円に上る可能性も指摘されています。これら台風情報といった未来予測が発信されているは、私たちの仕事や生活への影響を最小限に抑えるためです。つまり、未来予測を適切に読み取り、次の行動にどう生かすかがとても重要なのです。これら一連の流れはSCM(サプライチェーンマネジメント)における需要予測と非常に似ています。そこで今回、ビジネスにおける需要予測の読み方と、意思決定への生かし方について、台風情報と比較しながら解説します。
記事 物流管理・在庫管理・SCM ヤバい肉不足…でも鶏肉だけは在庫増? 日本企業が陥る「最悪の末路」をSCM視点で解説 ヤバい肉不足…でも鶏肉だけは在庫増? 日本企業が陥る「最悪の末路」をSCM視点で解説 2024/08/13 食品の値上げが止まりません。特に食用肉の在庫不足が深刻化しており、それに伴う値上げが多くの報道機関で報じられています。たとえば、米国産の牛肉は卸値が前年同期比81%増、欧州産の豚バラ肉は同40%増でした。その一方で、鶏肉は依然として経済性に優れています。この違いには何があるのでしょうか。これを見誤れば、関連ビジネスを手掛ける日本企業は苦しい状況に陥ることになるでしょう。そこで今回は食用肉の値上げについて、「サプライチェーン」と「インバウンド需要」の視点でひも解いていきます。
記事 物流管理・在庫管理・SCM 運送会社もぼやき節…「運賃値上げ=良い荷主」ではない納得理由、健全な取引とは何か 運送会社もぼやき節…「運賃値上げ=良い荷主」ではない納得理由、健全な取引とは何か 2024/08/06 2 運送会社にとって、荷主は悪者なのだろうか?──「物流の2024年問題」を筆頭とする物流クライシスが世間に広まるにつれ、優越的な地位を濫用した荷主企業が、(特に中小の)運送会社を虐げてきた過去が知られるようになった。だが世間には、運送会社との適切な関係を模索する荷主もたくさんいる。そもそも、そうしなければ物流クライシスを乗り切ることは不可能だ。今回、適切な関係とは何か探るため、荷主であるリリカラ(東京都新宿区)と、その荷物を運ぶ日東物流(千葉県四街道市)の双方に取材を行った。
記事 物流管理・在庫管理・SCM 物流関連2法とは何か、改正内容を「6つのポイント」でわかりやすく解説 物流関連2法とは何か、改正内容を「6つのポイント」でわかりやすく解説 2024/07/09 2 宅配をはじめとしたBtoC物流に世間の注目が続く中、2024年5月15日、物流関連2法(物流総合効率化法・貨物自動車運送事業法)の改正法が公布された。岸田内閣が推し進める物流革新政策の全体像がいよいよあらわになってきたのだ。これにより、物流の2024年問題に対応するとともに、物流の構造的問題にメスを入れる。本稿では、改正された物流関連2法のポイントを紹介するとともに、「物流革新に向けた政策パッケージ」(2023年6月2日発表)、「物流革新緊急パッケージ」(2023年10月6日発表)などと照合し、物流革新政策の進ちょくを検証する。記事途中には、物流関連2法の改正ポイントなどをまとめたExcelデータも用意しているので、ぜひご活用いただきたい。
記事 物流管理・在庫管理・SCM 物流DXとは何か? 課題から事例まで、「非効率すぎる人海戦術」からの脱却法 物流DXとは何か? 課題から事例まで、「非効率すぎる人海戦術」からの脱却法 2024/06/10 物流の2024年問題を筆頭とする物流クライシスは、「トラックドライバーの収入が上がれば解消する」といった単純なものではない。長く日本の物流ビジネスは、買いたたきを物流改善と称する荷主企業の怠慢、あるいは過剰要求を人海戦術によってなんとか補ってきた。だが、就労可能人口が減少していく日本において、人海戦術は早晩限界を迎えることは火を見るよりも明らかだ。求められるのは、人海戦術を脱し、生産性を飛躍的に向上させる変革であり、その切り札として期待されているのが物流DXである。
記事 物流管理・在庫管理・SCM 繁殖しまくり「転売ヤー」をどう撃退? 極悪転売に終止符を打つための「11の対策」 繁殖しまくり「転売ヤー」をどう撃退? 極悪転売に終止符を打つための「11の対策」 2024/06/05 訪日外国人数がコロナ禍前を超え、今年のゴールデンウィークも各地で大きくにぎわったかと思います。乗車券やイベントのチケットなどの入手も難かしかったことでしょう。しかし、通常の混雑によるものとは別の理由で、入手困難になったものもあります。それが転売目的による買い占めです。人気の製品・サービスを提供する企業やアーティストも転売を止めるよう呼びかけていますが、なかなか改善されません。むしろ転売ヤーの数は増えているように思います。そこで今回は、SCM(サプライチェーンマネジメント)の観点で転売を読み解き、撲滅に向けたアクションを考えたいと思います。
記事 物流管理・在庫管理・SCM もう「島流し」とは言わせない……すべての物流従事者に待ち受ける「明るいキャリア」 もう「島流し」とは言わせない……すべての物流従事者に待ち受ける「明るいキャリア」 2024/05/21 「無人運転が実現したらトラックドライバーはどうなるんでしょう?」先日、20代のドライバーから受けた質問だ。誤解を恐れずに言えば、ドライバーのセカンドキャリアは社会的に整備されているとは言えない。ところが思いがけない方向から、物流従事者のキャリアアップが整備される流れが出てきた。高度物流人材である。これは「大手企業だけ」の話ではない。そこで今回、高度物流人材のペルソナを生み出したキーパーソン3人に話を聞きつつ、高度物流人材の人物像や物流従事者のキャリアパスについて考える。
記事 物流管理・在庫管理・SCM 迫る農水産業の崩壊、「法令違反」でも長距離輸送する「九州の運送会社」の苦悩と本音 迫る農水産業の崩壊、「法令違反」でも長距離輸送する「九州の運送会社」の苦悩と本音 2024/05/07 1 地方の一次産業が崩壊の危機にある。原因は物流クライシスだ。働き方改革関連法による時間外労働時間の上限規制によって、青果や魚介類などを地方から首都圏へ運ぶ長距離輸送が維持できなくなりつつあるのだ。今回、インタビューをした農産物輸送を手掛ける九州の運送会社は、今もコンプライアンス違反の運行を続けている。好きでやっているわけではない。それしか方法がないからだ。「いつまで頑張れますか?」、筆者の質問に絞り出すようにこう答えた。「行政処分を受けたら仕事を辞める」。物流クライシスは、いよいよ日本社会を脅かそうとしている。
記事 物流管理・在庫管理・SCM サントリーが「地産地消」を目指す切実理由、製造拠点も激変させる「大改革の中身」 サントリーが「地産地消」を目指す切実理由、製造拠点も激変させる「大改革の中身」 2024/04/24 物流の2024年問題への対応は、日本のあらゆる企業にとって喫緊の課題となっている。サントリーホールディングスでは、2030年に2022年比で23%の輸送能力不足が見込まれると試算。そのためいち早く輸送能力の確保に着手し、テクノロジーを活用した配送状況の可視化など、「運べなくなるリスク」を回避するためのあらゆる施策に取り組んでいる。サントリーホールディングス サプライチェーン本部 物流部 部長の塚田 哲也氏が、同社の取り組みや、今後の物流改革の方針について紹介した。
記事 物流管理・在庫管理・SCM なぜ佐川ら競合とも協力? セイノーが目指す「物流プラットフォーム」のスゴイ中身 なぜ佐川ら競合とも協力? セイノーが目指す「物流プラットフォーム」のスゴイ中身 2024/04/19 2024年問題をはじめ課題が山積する物流業界。カンガルー便を中心に総合物流業を手がけるセイノーホールディングスは物流サービスを維持・強化するために、物流テックを手掛けるスタートアップ企業への投資や、物流DXの推進、同業他社や地域との連携などを積極的に展開している。これらの取り組みを通して、公共性の高い物流プラットフォーム「オープン・パブリック・プラットフォーム(O.P.P)」の構築を目指す。セイノー 執行役員 ラストワンマイル推進チーム担当の河合 秀治氏が、O.P.P構想や物流DXなどの取り組みについて語った。
記事 物流管理・在庫管理・SCM 荷主企業は結局どんな「物流改革」が必要か? 商品を運べない「最悪の結末」の回避法 荷主企業は結局どんな「物流改革」が必要か? 商品を運べない「最悪の結末」の回避法 2024/04/17 「物流の2024年問題」と言われる、トラックドライバーの残業規制が厳しくなる4月をついに迎えました。これは一時的な問題ではなく、今回をきっかけに物流への向き合い方を見直すべきスタート地点とも言えます。そこで本稿では、従来から目指されてきた自社の物流コスト削減ではなく、自社が関わるサプライチェーン全体として何をしていくべきかを考えたいと思います。
記事 EV(電気自動車) 佐川急便やマツキヨも導入で注目度が急上昇、「日本発 軽バンEV」の知られざる正体 佐川急便やマツキヨも導入で注目度が急上昇、「日本発 軽バンEV」の知られざる正体 2024/04/15 CO2総排出量に占める運輸部門の割合は約17.4%、そのうち自動車は86.8%を占める。トラック輸送が日本の物流の9割超を担うことから、自動車のCO2排出は物流業界全体の課題となっている。そこでガソリン車からEVへの切り替えが選択肢に挙げられるが、そうした中で勢力を伸ばしているのが日本発のEVベンチャー、ASFだ。まだ一般的な認知度は低いが、すでに佐川急便やマツモトキヨシが採用するなど、注目度を高めている。ASF 執行役員 社長室 室長 兼 事業企画部 部長の松本 勝成氏に、自社開発のEVについて紹介してもらいつつ、物流業界における環境問題について語った。
記事 物流管理・在庫管理・SCM 自動倉庫をシェアリングする「物流業界の新潮流」、でも忘れてはいけない理想と現実 自動倉庫をシェアリングする「物流業界の新潮流」、でも忘れてはいけない理想と現実 2024/03/29 2024年問題に揺れる物流業界でいま、新たなビジネスが注目を集めている。それが、物流施設ディベロッパーによる自動倉庫を活用したシェアリングサービスだ。施設の供給(開発と運用)に終始していたディベロッパーが近年、保管や荷物の入出荷などを担う倉庫ビジネスに参入。従来の倉庫会社との差別化を図るため、荷物単位の従量課金制で受託料金を収受する自動倉庫のシェアリングという戦略を生み出した。そこで今回、3PL企業の物流不動産担当営業員にも取材を実施した上で、物流業界におけるシェアリングビジネスの成否を占う。
記事 物流管理・在庫管理・SCM 割り付け・積み付けシステムとは何か? 勘と経験だらけの「配車」を激変させる救世主 割り付け・積み付けシステムとは何か? 勘と経験だらけの「配車」を激変させる救世主 2024/03/12 どの荷物をどのトラックに対しどのように積むと、最も効率が良いのか?──これを算出する割り付け・積み付けシステムがいま注目されている。背景にあるのは、「物流の2024年問題」を筆頭とする物流クライシスである。現在約38%しかないと言われる積載効率(トラックの許容積載量に対する実際の積載量の割合)を向上させることができ、中には輸送単価を17%削減できた例もある。救世主として期待したいところだが、そう簡単な話ではない。その理由を数学上の課題、現場の課題から論じつつ、実際に現場で活躍する割り付け・積み付けシステムも紹介しよう。
記事 収入・給与 トラックドライバーの「賃上げ10%」は実現可能か?それとも、岸田首相のハッタリか? トラックドライバーの「賃上げ10%」は実現可能か?それとも、岸田首相のハッタリか? 2024/02/22 2024年2月16日、岸田首相が「2024年度、トラックドライバーに対する10%前後の賃上げが期待できる」と発言した。岸田内閣が推し進める「物流革新」政策に対する自信の表れともとれる発言である。だが、2018年から2022年の4年間における、トラックドライバーの賃上げ率は、大型ドライバーで4%、中小型ドライバーで5%に過ぎない。「2024年度中にドライバーの賃上げ10%」が単なる人気取りのハッタリ発言なのか、それとも実現可能なのか。
記事 物流管理・在庫管理・SCM サプライチェーンリスクにどう備えるべきか? リスク特定に「生成AI」も超有効のワケ サプライチェーンリスクにどう備えるべきか? リスク特定に「生成AI」も超有効のワケ 2024/02/05 2024年は年明けから大きな自然災害や事故が続きました。被害にあったすべての人にお見舞いを申し上げます。サプライチェーンがグローバルに広がっている昨今、今回の能登半島地震のように大きな災害が起きた場合、遠方の出来事だとしても自社のビジネスに大きな影響を受けるでしょう。こうした危機下のサプライチェーンを早期に立ち直らせる「レジリエンス(Resilience)」という概念は、コロナ禍以降、より注目を集めています。有事が起きてから急いで強化することは困難であり、平時から仕組み化して準備しておくことが必要になります。そこで本稿ではサプライチェーンのリスク管理について解説します。
記事 物流管理・在庫管理・SCM 能登半島地震でも大活躍の「物流事業者」、物資輸送に奮闘する「苦闘と功労」の舞台裏 能登半島地震でも大活躍の「物流事業者」、物資輸送に奮闘する「苦闘と功労」の舞台裏 2024/02/01 新年早々発生した能登半島地震。現在も被災地・被災者の苦しみは続いている。被害にあったすべての人にお見舞いを申し上げる。大規模災害が発生した際に求められるのが、損壊した家屋などに閉じ込められた人々の救助であり、避難所などへ避難した被災者に、適切な支援物資を届ける緊急物資輸送である。では物資はどのようにして届くのか。緊急支援物資輸送をひも解くと、東日本大震災、熊本地震での教訓を生かした物流事業者の取り組みなどが垣間見える。今回は、現時点で分かっている能登半島地震における緊急物資輸送を紹介しつつ、物資輸送の舞台裏に迫る。
記事 物流管理・在庫管理・SCM 被災地に食料や水が届かない…個人・企業の独自支援が輸送を妨害し得る「思わぬ理由」 被災地に食料や水が届かない…個人・企業の独自支援が輸送を妨害し得る「思わぬ理由」 2024/01/31 またしても悲劇的な大災害が発生してしまった。2024年1月1日に発生した能登半島地震において、被害にあったすべての人にお見舞いを申し上げる。今回のように大きな災害が発生した際、被災者が直面するのが物資の不足である。食料や水はもちろん、衣料品から生活用品、あるいは暖房や調理のための燃料など、被災地ではあらゆるモノが足りなくなる。こういった被災者の窮状を救うのが、緊急物資輸送、すなわち極限の状況下で実施される物流だ。実は緊急物資輸送は、東日本大震災(2011年)、熊本地震(2016年)などを経て、大きく進化しているのだが、輸送を阻害する思わぬ要因も散見されている。
記事 カーボンニュートラル シーメンス最強工場は何が凄い?「温室効果ガス90%減」を実現した“ある方法“ シーメンス最強工場は何が凄い?「温室効果ガス90%減」を実現した“ある方法“ 2024/01/22 2023年11月末から12月にかけて、世界の国々が気候変動の問題を話しあう「COP28サミット」が開催されました。各国が企業による温室効果ガスの排出量の開示の義務化を決定、または審議が進んでいます。いよいよ本腰を入れて対応する必要が出てきましたが、何からはじめれば良いのでしょうか。今回は、先行して対策に取り組み、すでに温室効果ガス9割削減を実現したシーメンスの事例を解説します。
記事 物流管理・在庫管理・SCM 2024年問題で「物流ビジネス」大激変、NLJと日本GLPが進める「競合→協調」戦略とは 2024年問題で「物流ビジネス」大激変、NLJと日本GLPが進める「競合→協調」戦略とは 2024/01/10 物流はもはや競合領域ではなく、協調領域である──これは日野自動車の傘下に設立された物流会社、NEXT Logistics Japan(NLJ)のCEO、梅村 幸生氏の言葉である。人手不足の上に、「物流の2024年問題」を筆頭とする物流クライシスの存在。とてもではないが、この荒海を1社だけで乗り切れるわけもない。色々な意味で世間を騒がせている、ヤマト運輸から日本郵便に対するメール便・小型薄型荷物サービスの全量委託などは、その最たる例であろう。競合から協調へと移行する物流ビジネスの変化について、NLJと物流施設ディベロッパーである日本GLPの事例を見ながら解説しよう。
記事 物流管理・在庫管理・SCM 運送会社が「EVトラック」を買いたがらないワケ、保有率“たった2.7%”の厳しい現実 運送会社が「EVトラック」を買いたがらないワケ、保有率“たった2.7%”の厳しい現実 2024/01/09 多くの日本企業がカーボンニュートラルに向けた取り組みを加速させています。その主要な取り組みは、温室効果ガス総排出量の約9割を占めるCO2の削減ですが、実は部門別で見ると運輸部門が総排出量の約2割を占めています。そのため物流業界では、カーボンニュートラルに向けた取り組みを喫緊の課題としています。そこで注目を集めるのがEVをはじめとした環境配慮車両の導入ですが、その実態は厳しい状況にあります。今回、物流業界におけるカーボンニュートラルの取り組みを紹介しつつ、環境配慮車両導入の実情などについて解説していきます。
記事 物流管理・在庫管理・SCM 「報復」に怯える運送会社……ブラック荷主の撲滅狙う、トラックGメン“本気の想い” 「報復」に怯える運送会社……ブラック荷主の撲滅狙う、トラックGメン“本気の想い” 2023/12/27 良くも悪くも話題になっているトラックGメン。これは、不当な要求などを続ける荷主企業を摘発し、運送業界の適正化につなげようと、政府が新設した部隊だ。今回、所管する国土交通省 関東運輸局を取材して驚いたことがある。トラックGメンが運送会社にヒアリングしたところ、「荷主の不適切な行い」を告発した運送会社は1割弱しかいないというのだ。世の中の運送ビジネスは、そんなに健全なのだろうか? いやいや、そんなことはないはず。荷主の悪口を言ったら報復される──。裏にはこのような「恐れ」があるようだ。気持ちは分かるが、ババを引かされるのは運送会社だ…。
記事 人材管理・育成・HRM DX失敗は人材育成が原因か? 成功させたいなら「6つのスキル」を組織でカバーせよ DX失敗は人材育成が原因か? 成功させたいなら「6つのスキル」を組織でカバーせよ 2023/12/13 最近、筆者の元には「AIを活用できるデータサイエンティストを育成したい」といった声や相談が増えてきました。DXを進める中で、ノーコードやローコードのプランニングツールなどを導入しても思うように成果が出ない、といった失敗を経験するからでしょう。ですが、人材育成を進める前に、どのような人材にどのような役割やスキルを担ってもらうか見極めることが大切です。これがDX推進のとても重要なポイントとなります。今回は、ダイキン工業やLIXILの事例を紹介しながら、DX推進のための考え方を整理します。
記事 物流管理・在庫管理・SCM 物流革新緊急パッケージとは何かをわかりやすく解説、置き配だけでない大注目の13施策 物流革新緊急パッケージとは何かをわかりやすく解説、置き配だけでない大注目の13施策 2023/11/28 佐々運(株) 輸送管理 佐々木淳 有名無実と化している標準的な運賃の廃止および法定最低運賃の導入が、最もドライバー不足対策に実効性があると思われるのですが、どうして物流改革の政策会議で俎上にのらないのでしょうか。物流の2024年問題の本質がドライバー不足なのだから、ドライバーの待遇改善を軸に考えないと何をやっても空回りになると思います。
記事 物流管理・在庫管理・SCM 送料無料・翌日配達は当然なのか?“やりすぎ”宅配に提案したい「3つの有料化」 送料無料・翌日配達は当然なのか?“やりすぎ”宅配に提案したい「3つの有料化」 2023/10/20 コロナ禍を後押しに日常生活の一部となったEC。「便利で、早くて、都合の良いサービス」というイメージが定着した一方、そのしわ寄せが物流業界に押し寄せています。特に、昨今の物流業界は2024年問題といった多くの課題に直面しており、「便利な」サービスを続けることは困難な状況です。ECのイメージを「便利と引き換えに対価を支払い、継続すべきサービス」に変える必要があるでしょう。そこで必要なのが、「3つの有料化」です。ECが物流業界に与える影響とともに、ECのサービスを継続させるために必要な方策について解説します。
記事 流通・小売業界 売上5倍超の商品も…資生堂や明治らに学ぶ「インバウンド戦略」大成功への秘策とは 売上5倍超の商品も…資生堂や明治らに学ぶ「インバウンド戦略」大成功への秘策とは 2023/10/13 コロナ禍の一時期と比較すると、街や観光地、飲食店はだいぶ活気が戻ってきました。特に外国人が多くなったと感じているのは筆者だけではないでしょう。日本政府観光局が発表している2023年8月速報値の訪日外客統計を見ると、2019年比で85.6%とかなり回復しています。ここで期待できるのがインバウンド需要です。自社の事業を成長させるためには、こうした需要を的確にとらえて、いかに商品を多く買ってもらえるかが重要となります。そこで本稿では、再び注目され始めているインバウンド需要を、需要予測、そして需要創造の観点で解説していきます。
記事 物流管理・在庫管理・SCM 米国は2,500万円なのに…、日本のトラックドライバーが全然「稼げない」根本理由 米国は2,500万円なのに…、日本のトラックドライバーが全然「稼げない」根本理由 2023/10/06 米国のトラックドライバーの報酬額が話題だ。小売大手のウォルマートは新人ドライバーでも年間で最高約1,400万円、物流大手のUPSのドライバーは最高約2,500万円で、全体の中央値で見ても約676万円だ。対して日本国内のドライバーは、平均年収(全日本トラック協会の資料より)だが、大型車で477万円、中小型車で438万円である。高度な運転を要するドライバーでも700万円が散見される程度で、最高年収1,000万円はほど遠いのが実情だろう。しかし日本においても稼げた時代はあった。なぜこれだけの差が開いたのか。日本のトラックドライバーが、年収1,000万円以上を稼ぐ方法はないのだろうか?