政治ジャーナリスト 高田 泰(たかだ たい)
1959年、徳島県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。地方新聞社で文化部、地方部、社会部、政経部記者、デスクを歴任したあと、編集委員を務め、吉野川第十堰問題や明石海峡大橋の開通、平成の市町村大合併、年間企画記事、こども新聞、郷土の歴史記事などを担当した。現在は政治ジャーナリストとして活動している。徳島県在住。
2016年は「空港民営化元年」となりそうだ。4月から大阪府と兵庫県にある関西、伊丹両空港の運営権が民間の新会社に移るのをはじめ、7月には宮城県の仙台空港が民営化される。さらに、福岡県の福岡空港、香川県の高松空港も民営化へ向けた動きが続いているほか、政府は北海道にある国管理の4空港を一括して民営化したい考えだ。各地の空港を民間の力で地域拠点とするのが狙いだが、地方空港は赤字経営がほとんど。島根県立大総合政策学部の西藤真一准教授(交通政策論)は「民間の創意工夫が地域発展につながるメリットはあるが、今後は収益性に乏しい空港の維持、運営のあり方が課題になる」と指摘する。空港民営化は「地方創生」につながるのか。
東京一極集中の是正に向けて検討されている中央省庁や研究研修施設、独立行政法人など政府機関の地方移転が、官僚の激しい抵抗に遭っている。政府は首都圏の1都3県を除く43道府県から中央省庁7期間を含む計69機関に対する移転要望を受け付けたが、移転の検討対象を半数以下の34機関に絞り込む考えを17日の有識者会議(座長・増田寛也元総務相)に示した。今回、事実上の要望却下となったのは、研究研修施設や独立行政法人ばかりで、いずれも官僚側から否定的な意見が寄せられていた。中央省庁7機関の移転をめぐる綱引きは年明けから本格的に始まるが、官僚の間で移転に反発する声が水面下で高まっており、実現するかどうかは不透明さを増している。