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- 2018/07/30 掲載
「レアル・マドリード」の“世界最強”マーケティング戦略の秘密
レアル・マドリードGMが語る
一介のチームに過ぎなかった“白い巨人(エル・ブランコ)”
1902年に創設。以来、世界で最も過酷といわれるリーガ・エスパニョーラを30回以上も制覇するとともに、欧州で最も権威あるUEFAチャンピオンズリーグの栄冠に13回も輝く名門クラブである。過去にはジダンやロナウドなど、人気と実力を兼ね備えたスター選手が数多く在籍。最近ではスター選手のC・ロナウドがレアルからユベントスへの移籍が発表されたことでも注目を集めている。「銀河系軍団(ロス・ガラクティコス)」「白い巨人(エル・ブランコ)」とも呼ばれる。
とはいえ、レアルも昔からいまのようなクラブではなかった。「創設直後数年の利益は売り上げの数パーセント。そうした状況の中、資産を何とかやりくりしてビジネスを持続させ、今では世界有数のプレゼンスを誇るクラブにまで発展を遂げました。そこでの成功の鍵こそ、勝利のためにあきらめずに努力し続ける、長きにわたって受け継がれてきたクラブのDNAにほかなりません」とサンス氏は語る。
世界中の7億人以上のファンに、多言語コンテンツを毎日配信
レアルは成功の基盤となるファンの獲得に貪欲だ。早くからファンとのコミュニケーションに力を入れ、近年ではフェイスブックやインスタグラム、ツイッター、YouTubeなどのSNSも積極的に活用。ツイッターではリアルタイムなニュースを、YouTubeではロングテールの動画をそれぞれ配信するとともに、他のWebサイトやスマートフォンアプリへの誘導も図るなど、そのコンテンツ構成も高く評価されている。サンス氏も、「チームの強化と同じく、クラブの運営でも努力は非常に重要です。そのために世界中の7億人以上のファンに対して、多言語コンテンツを毎日、15以上配信しているほどです」と自信を見せる。レアルはサッカークラブとして初めてフェイスブックで1億人のフォロワーを獲得した。
そんなレアルでは、フォロワーの増加がパートナーを呼び寄せ、そこでの多様なチームの露出がさらにフォロワーを増加させるという好循環を生んでいるという。フォロワーの典型的なプロフィールは38歳でアッパークラスの男性だが、この層をターゲットとする企業にとって、レアルを広告塔とする意義は決して小さくない。
レアルも自身の価値を認識しており、それゆえにパートナー選びには慎重だ。そこで相手に求める条件の1つが、「人の心に刻めるストーリーを共に構築できること」。10年以上もスポンサー契約を結んでいる自動車メーカーのアウディは、この条件をクリアした企業の1社である。
【次ページ】レアルはスポンサーのイメージ向上に“利く”
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