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- 2017/09/12 掲載
GEヘルスケアの世界最先端工場、どこまで医療経営を効率化できるのか(2/2)
Brilliant Factoryを実現する3つのステップ
藤本氏は「Brilliant Factoryを進める際に、先進設備やロボットの導入は重要だ」と述べたうえで、データを利用することで、「我々のような古い設備や人的資産を最適化生産性を向上できる」と説明した。データ活用により65%のリードタイム削減を実現したラインもあるということだ。Brilliant Factoryは「Get Connected」「Get Insight」「Get Optimized」という3ステップで進められる。
「まず“Get Connected”で機器同士あるいは人同士をつなげる。そこでデータを集め、分析・活用するのが“Get Insight”だ。さらに、その知見を活かして現場を最適化し、生産性を上げる段階が“Get Optimized”だ。これら3ステップによって、Brilliant Factoryを実現していく」(藤本氏)。
得られたデータを分析して現場の改善に生かす方法
そして、このような自社工場の知見を、実際の取引先である医療関係ユーザーに広げようという試みが、医療データ分析サービス「Applied Intelligence」だ。同社ヘルスケア・デジタル事業本部 本部長の松葉香子氏がサービスの概要を説明した。
Applied Intelligenceは、このBrilliant Hospitalのうち、特にデータの可視化・分析することで改善サイクルを高速化させる。松葉氏は「医療機関には多くのデータがあるが、どう集め、活用するかという前段階の作業に時間がかかりすぎ、分析にリソースが割けないとの声も聞く。そこでデータをまとめ、アクションにつなげるお手伝いをするのがApplied Intelligenceの目的だ」と語る。

このサービスは「導入前のアセスメント」「データ分析ツール構築」「得られた示唆に基づく改善活動」というプロセスから構成される。ヒト・モノ・情報をつなぎ、得られた示唆を最適化アクションに生かす。
「導入前にGEの“ワークアウト”と呼ばれる手法を用いて課題を抽出する。そのうえで必要な運営指標(KPI)を決め、ダッシュボードで可視化し、得られた示唆からアクションを起こして、結果を見ながらPDCAを回すという流れだ」(松葉氏)
同氏は、半年間にわたり大阪のベルランド総合病院で実施したApplied Intelligenceのパイロット事業についても紹介。検査時間の集中度などを可視化し、予約枠を調整することで、待ち時間の改善につながったという。
「CT検査で造影剤を使うのか、疾患の種類によっても検査予約の組み方が変わる。事実に基づくデータから患者の待ち時間を改善したり、職員の残業を減らしたり、入院外来比率から増収ヒントが得られた」(松葉氏)。
このようにApplied Intelligenceによって、組織特有の真因が見え、取り組みを具体化できる。さらに成果を次の投資に回すことで、地域医療に貢献できるというわけだ。
後編では、実際に日野工場で進められているBrilliant Factoryの取り組みと成果に関してさらに詳しく紹介していく。
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