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  • 2017/03/23 掲載

「会議の7パターン」を知れば、無意味な会議はグッと減らせる

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さまざまなクライアントの会議に参加し、また自社の会議も数多くコーディネートしてきた中で、私は会議に「意味」を持たせることが、実は極めて難易度の高いことであるということが分かってきた。人々は、好き好んで茶番劇を演じているのではない。実質的で、実効性のある会議を実現するための「方法論」を持っていないだけなのである。私はこう断言したい。「会議には類型があり、その目的を明確に持ってファシリテートするのであれば、一見して意味のない会議であっても、確実にそれによって組織に良い影響を与えられる」と。
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無意味な会議を「多少なりとも」意味あるものに変えよう
(© arsdigital – Fotolia)


「会議」という退屈で無意味なもの

 会議とは、主催する側の人間にとっても、招集される側の人間にとっても、気が滅入るものである。

 さまざまな会議がある中で、たとえば「営業会議」は忌み嫌われるものの筆頭である。売上の読み、見通しがその主たる議題なのだが、意外と戦略的なことが語られることは少ない。

 「御用聞き型営業からの脱却」「リードナーチャリング」「生産性向上」など、それらしい用語が飛び交うことはあるかもしれないが、営業の本分は毎月の数字を達成することであり、最終的には「今月どうなのか」にどうしてもフォーカスされてしまう。

 しかしその「営業読み」にしても、見通しを読もうにも、さしたる材料もなく、毎週毎週「今月も頑張ろう」という以上の何も話し合われないのだった。

 とはいえ、形式上は各エリアやチームに応じて予算があり、傾向と対策について何かしらの意見を述べることが求められる。

 公式な場ではそれなりに発言はするものの、その当人同士が喫煙スペースに移動したとたん、「実際どうなの、行けそうなの」「いやーわかんないっす、やってみないと」「だよなぁ、がっはっはっは」「わっはっはっは」と談笑するモードに切り替わる。

 一体この人達はわざわざ休みに集まって、なぜ茶番劇を演じる必要があるのか、といぶかしく思ったことがある人も多いのではないだろうか。

 多くのクライアントの会議に参加し、また自社の会議も数多くコーディネートしてきた中で、「会議に意味を持たせること」が、実は極めて難易度の高いことであるということが分かってきた。

 人々は、好き好んで茶番を演じているのではない。実質的で、実効性のある会議を実現するための「方法論」を持っていないだけなのである。

 前回の記事で述べた通り、あらゆる会議が「意味のあるもの」であるためには、以下の原則が非常に強力に作用する。

「会議とは、参加者の現状認識を揃え、次に何を狙いとして、どのようなアクションを取るかの合意をする場であると心得よ」

 この原則を守ることが必要だが、なかなかそうはうまくいかないということも多い。そこで、あえて本稿ではこう断言したい。

「会議には類型があり、その目的を明確に持ってファシリテートするのであれば、一見して意味のない会議であっても、確実にそれによって組織に良い影響を与えることができる」と。

主催者がおさえておきたい「会議の7つのパターン」

 筆者は、世の中の会議は、おおむね7つのパターンに分類することができると考えている。それらを「意味がない順」に並べると、下記の通りだ。

(1)トップのストレス発散型
(2)完全形骸化型
(3)儀式型
(4)ブレスト漂流型
(5)責任追及型
(6)上意下達指示伝達型
(7)ネクストアクション志向型

 この7つの中で、理想の会議とは(7)の「ネクストアクション志向型」である。しかし、実際には(1)のトップのストレス発散型や、(2)の完全形骸化型といった、意味のないパターンの会議が多い。

 今回は、特に厄介な(1)トップのストレス発散型と(2)完全形骸化型という「意味のない会議」に「意味を持たせる方法」について考えてみたい。

「トップのストレス発散型」会議に意味を持たせる方法

 まずは、(1)トップのストレス発散型である。トップとは、それが社長の場合もあれば部長で課長でもいいのだが、参加者の中の役職上の最上位者は、得てして会議のイニシアティブを握っている。

 それが野放図なものになってしまうことも多く、そうした会議においては、こうした人物による「ストレス発散型」になりがちである。

 残念ながら、一般的な企業組織においては「トップが吠える」ということで終わってしまっていることも多い。

 そこで問われるのはたいてい、「どうしていつもアクションが遅いのか」「何が何でも目標に到達せよ」のどちらかである。それが困難な理由をすっ飛ばして、とにかく結果を求める。そこには分析もなければ対策もない。

 もっとひどい場合もある。それは「自分がメンバーだったころ」系の思い出話である。トップからすると「経験の共有」のつもりだが、メンバーにとっては「無意味な自慢話」にしか聞こえないという悲劇である。

 参列、もとい参加する人々はみな、伏し目がち。「そんなこと言われたって…」の言葉が頭の中をぐるぐると駆け巡る。

 いかに事前の準備を重ねたとしても、ふとした発言でトップの逆鱗に触れ、あるいはスイッチが入ってしまい、なし崩し的にこのパターンに陥ってしまうのがこのパターンの難点である。

 これを制御する方法はただひとつだ。会議のファシリテーターがトップに対して事前に、「今回はぜひ、ストレスを発散していい」「今回はガマンして皆の言うことを聞いておいて欲しい」ということを伝えることだ。

 実際、組織全体の勢いをつけるためには、ロジックだけでは足りないことが往々にしてある。

 最適なタイミングで檄が飛ぶとき、思っても見ないような飛び抜けた成果が出るということも少なくない。問題は、それを発動させるタイミングなのである。

 しかし、トップ自身がそれを客観的に判断するのは難しい。会議ファシリテーターは、この型の会議では一切表立って活動することはないが、まさしく「要」の役割を担うのである。

【次ページ】「完全形骸化型」会議に意味を持たせる方法
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