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- 2017/02/07 掲載
ファンケルの化粧品マーケティング戦略に学ぶ、顧客との「恋」の始め方
意外となかった60代向け化粧品
60代からのエイジングケア化粧品「ビューティブーケ」シリーズでは、「共感をうみだすマーケティング」を実践したという。
新製品を発売するにあたって、同社はまず顧客分析を行った。その結果、少子高齢化で60代以上の人口割合が増しているのに関わらず、この層に製品を提供できていなかったことが判明した。そこで、「成熟した女性」をターゲットに定める。
次に、同社は対象約4500名にアンケートによるリサーチを実施した。わかってきたのは、加齢により、美容重視から健康重視へと意識はしだいに変化するものの、それでも美容と健康を両立させたいという層が少なからず存在するということである。そこで同社はこの層を「欲張りバランス女性」と命名し、新製品の対象顧客層として絞りこんだ。
さらに佐藤氏らはこの世代のスキンケアニーズ、肌の特質などのリサーチを直接インタビューなども交えて行った。また、製品づくりに携わるメンバーでターゲットイメージを共有するため、個人作業やグループディスカッションを行い、そこには経営トップもメンバーの一員として参加したという。
そして、最終的に60代欲張りバランス女性向け商品の設計ポイントとして掲げたのが、「効果と安全性の両立」「シンプルステップ」「使いやすさへの配慮」だった。
佐藤氏は「製品づくりにおいて最も重要なのは、『狭く、深く、相手を思い浮かべられるか』ということです」と強調した。
【次ページ】ファンケルが実践した「恋するマーケティング」とは?
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