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- 2017/02/08 掲載
ハラールビジネスとは何か?認証化粧品で日本企業が東南アジアに参入
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イスラムの教えに基づいて製造される「ハラール化粧品」
矢野経済研究所は、早くからイスラム市場の成長ポテンシャルに着目していた調査機関である。2億人超のムスリム人口を抱えるインドネシアへの市場調査を皮切りに、2013年ごろからハラールビジネスの動向を見守ってきた。現在では、インドネシアのハラール認証機関と協力関係を結ぶとともに、インドネシアのハラール情報サイトを運営するなど、同社自体もハラールビジネスに取り組んでいる。ハラールとは、アラビア語でイスラム教の教えに基づき「口にしていい食糧・食品」を意味する。たとえば、野菜や果物、穀類、イスラムの教えにのっとって処理された牛・羊・鶏肉、魚、ミルクなどがそうである。その対義語はハラームだ。ハラームは、「禁止された」または「非合法な」という意味で、豚肉や豚由来の成分を含む調味料、アルコールやアルコールを含む調味料、水中でも陸上でも生きられる生物などがそれに当たる。
ハラール化粧品とは、認証機関によって多少の解釈の違いはあるものの、ハラールと認められた原材料で、ハラームである原材料と触れることなく製造された化粧品を指す。
そうではない方法で製造されたのが「ハラーム化粧品」である。一方、「ノンハラール化粧品」と称されるというジャンルもある。「ノンハラール」化粧品は、ハラール認証は取得していないものの、ハラール対応は行っている化粧品のことを意味している。
増大するムスリム人口、拡大するハラールビジネス
それとともに経済成長が進むとすれば、これはビジネスチャンスといえる。ハラール市場は宗教をベースとしており、地理的制約を受けないことからポテンシャルが非常に高いと浅井氏は語る。
ただし、現時点でのイスラム圏での1人当たりのGDPは、たとえばインドネシアが3,500ドル程度で、決して高いとはいえない国が多い。また、食品に関するハラールの概念は定着しつつあるが、ハラール化粧品に関しては2008年にマレーシアでガイドラインが完成したのが最初で、市場は徐々に形成されつつある状況だ。
【次ページ】国内外の「ハラール」認証機関とは?
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