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矢野経済研究所はDMP(データマネジメントプラットフォーム)とMA(マーケティングオートメーション)市場に関する調査結果を発表した。2016年に300億円程度だった市場は2021年に600億円を超えると予測している。AIやIoTが成長に寄与しているというが、どのように使われているのか。
この調査でDMP(Data Management Platform)とは、さまざまな販売チャネルにおける顧客の行動データを集約して分析することで、顧客の特徴を明らかにし、広告、メール、DMなどのマーケティング施策を最適化するシステムやサービスを指す。
またMA(Marketing Automation)は、大量の見込み顧客や既存顧客を一元化、自動的に評価し設計したシナリオに基づいて、シナリオを自動実行させ、顧客を個別に育成することで確度の高い商談を創出するシステムやサービスを指している。
調査結果によると、2016年におけるDMPサービス市場とMAサービス市場を合算したデジタルマーケティング市場規模は、303億1,500万円であった。
近年は、顧客の購買行動が変化している。顧客は商品の購入前に、インターネットでその性能・仕様や口コミなどの情報収集・価格比較などをインターネットで調べるようになり、企業とさまざまなチャネルを持つようになったため、以前よりも購買のタイミングが遅くなっている。
このため、企業は顧客ごとにパーソナライズされたコミュニケーションを行う必要が出てきた。そこで、パーソナライズされたマーケティングの効率化等を求め、データ主導のマーケティングを行えるソフトウェアに対する需要が拡大している。
IoTがデジタルマーケティング市場の成長に寄与
また、同市場の成長要因としてIoTやパーソナルデータの存在を挙げている。IoTに関しては、スマートフォンの位置情報を活用したマーケティングが知られているが、最近は気温や降雨センサーのデータなども活用し、集客につなげている事例もある。
今後、IoTはさらに進展し、取得できるデータの種類と量が飛躍的に増加することが見込まれ、より良い顧客体験(パーソナライズされたコミュニケーションから得られる体験や充足感)を実現する源となるとしている。
パーソナルデータについては、個人情報保護法の改正など、政府が同データ活用に前向きな見解を示している。こうした動きや企業のデジタルマーケティングに対する認知・関心の向上などから市場は引き続き堅調に推移する予定だ。
同市場規模は2022年には639億円に達し、2016年から2022年までのCAGR(年平均成長率)は13.2%の成長を予測している(図1)。
【次ページ】デジタルマーケティング市場へのAI活用とは
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