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- 2024/04/10 掲載
3Dプリンターメーカー12社を徹底比較、ストラタシス・3Dシステムズなどの強み・弱み
前編はこちら(この記事は後編です)
大手3Dプリンターメーカー1:業界の未来を形作るパイオニア
市場の成長に貢献している3Dプリンターメーカー(注1)企業は無数にあります。その中でも、業界の未来を形作るといわれている先駆者を、いくつか見ていきましょう。1. ストラタシス …3Dプリンティング分野のパイオニア
米国を拠点とするストラタシス(Stratasys)は、3Dプリンティング市場をリードする企業です。同社は、長く豊かな歴史に誇りを持つパイオニアで、そのルーツは3Dプリンティング技術の初期段階にまでさかのぼります。
- 1.1. 概要・主な特徴
ストラタシスは1989年以来、3Dプリンティング革命の最前線にいます。同社の技術は、航空宇宙・ヘルスケア・消費者向け製品など、さまざまな分野で応用されています。同社は小規模生産と大規模生産の両方に対応するソリューションを提供し、幅広い顧客に対応しています。 - 1.2. 財務業績
過去に何度かの困難に直面しながらも、ストラタシスは比較的安定した業績を維持しています。2022年12月時点で、同社の売上高は6億5,920万米ドル、時価総額は8億1,880万米ドルです。 - 1.3. 将来の展望
ストラタシスは研究開発への投資を継続し、将来に向けてさらに革新的なソリューションの提供を約束しています。「生産時間」がもたらす課題に挑戦しなければならないにもかかわらず、同社の技術向上への思いは熱く、今後も成長し続けることでしょう。
2. 3Dシステムズ …3Dプリンティング黎明期からの革新
同じく米国を拠点とする3Dシステムズ(3D Systems)は、1989年の創業以来、3Dプリンティング市場で重要な役割を果たしてきました。同社は、市場の黎明期から新技術の開発に貢献してきました。
- 2.1. 概要・主な特徴
3Dシステムズは、小型のデスクトッププリンターから業務用プリンターまで、幅広い製品ラインナップを誇ります。同社の技術は、ステレオリソグラフィ(光造形・SLA)・選択的レーザー焼結(SLS)・マルチジェットプリンターなどが代表的です。 - 2.2. 財務業績
財務上の課題はいくつかあるものの、3Dシステムズは2022年12月時点で、売上高5億5,620万米ドル、時価総額12億米ドルで、市場の主要プレーヤーであり続けています。 - 2.3. 将来の展望
3D システムズは技術革新を続け、より高度で精密な3Dプリンティング技術の提供を約束しています。同社の多様なサービスと製品は、将来も引き続き、顧客のさまざまなニーズに応えるというコミットメントを示しています。
3. マテリアライズ …ソフトウェアソリューションでギャップを埋める
ベルギーに本社を置くマテリアライズ(Materialise)は、30年にわたり3Dプリンティングソリューションと関連ソフトウェアを提供してきました。
- 3.1. 概要・主な特徴
マテリアライズは、ヘルスケア・自動車・航空宇宙・アート・デザインなどの業界において、3Dプリンティングアプリケーションの開発を促進するプラットフォームを提供しています。同社は、歯科および補聴器製品の解剖学的モデルの製作からスタートし、そこからほかの分野にもサービスを拡大しました。 - 3.2. 財務実績
2022年12月時点で、マテリアライズの売上高は2億4,520万米ドルでした。トータルリターンは若干落ち込んだものの、時価総額は5億6,230万米ドルと健全な水準を維持しています。 - 3.3. 将来の展望
マテリアライズは、企業や個人が「できること」と「できないこと」のギャップを埋めるような3Dプリンティングの可能性を最大限に引き出すためのソフトウェアソリューションを提供することで、市場で重要な役割を果たし続けるでしょう。
4. GE …製造業における3Dプリンティングの活用
GE(ゼネラル・エレクトリック)は、製造業の工程に3Dプリンティングを導入した世界的なデジタル産業企業です。
- 4.1. 概要・主な特徴
GEアディティブチームは、3Dプリント金属部品のハードウェア・ソフトウェア・コンサルティングサービスを専門としています。直接金属レーザー焼結(DMLS)と電子ビーム溶解(EBM)のプロセスを活用して、さまざまな産業向けのカスタム部品ソリューションを構築しているのが特徴です。 - 4.2. 財務実績
GEのアディティブ・マニュファクチャリング部門の具体的な財務データは入手できませんでしたが、3Dプリンティング技術に対する同社の全体的なコミットメントを見る限り、市場の可能性について強い信念があるといえるでしょう。 - 4.3. 将来の展望
GEは、アディティブ・マニュファクチャリングの専門チームとともに、整形外科用インプラント・航空機・自動車など、さまざまな分野で3Dプリンティングの応用を模索し、拡大し続けるでしょう。
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