- 2015/07/09 掲載
ERPパッケージ市場規模は前年比6.2%増の1,080億円、今後はクラウド化が進展
矢野経済研究所では、ERPへの投資回復が一巡するまで、このトレンドは5年ほど続くものと考えていたそうだが、今回、2015年の段階で終盤に近付いていると予測した。
2015年も景気などの経営環境は悪くないため緩やかな成長が続き、2015年のERPパッケージライセンス市場は、2014年の消費税増税前の駆け込み需要刈取り後の反動減からの回復や、マイナンバー制度導入による市場の活性化などを見込み、前年比8.2%増の1,169億2,000万円(エンドユーザー渡し価格ベース)になると予測した。
2015年以降に注目すべきトレンドは、クラウド化の進展という。
ERPはCRM(Customer Relationship Management)やグループウェア等情報系のシステムと比較して、セキュリティの確保や他システムとの連携の必要性などの理由からクラウドの利用率が低く、現時点ではクラウドを利用しているユーザー企業は少ない。
しかし、クラウドの普及と市場の成長に伴って、2014年頃からはユーザー企業のニーズには変化が起きている。ERPの新規導入を検討する際には、まずクラウドの利用が有効かどうか検討する傾向も見受けられるという。
特に、IaaS(Infrastructure as a Service)/PaaS(Platform as a Service)クラウド基盤サービスの利用が増加しているという。
クラウド基盤サービスは技術の高度化とコストダウンが進んでおり、オンプレミス(自社運用)と比較しても、コストやセキュリティについての制限やデメリットはない。
ただし、クラウド上で最適なシステム構築と運用にはオンプレミスとは異なるノウハウも必要になるため、ベンダーには、クラウドでの利用を保証するサービスの提供や、クラウド上でセキュリティ確保やコストやパフォーマンスを最適にするための支援体制構築が急がれると矢野経済研究所は指摘。
また、有力ベンダーがSaaS(Software as a Service)によるアプリケーション提供サービスを強化する動きも進んでいるため、クラウド基盤のみならず、アプリケーションをSaaSとして利用するケースも今後は増えると予測する。
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