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- 2017/02/20 掲載
コーセーのマーケティングは、ITではなく「徹底した消費者目線」を重視する
コーセーが重点を置く「マインドシェアの最大化」とは
消費財のコモディティ化が進んだ、と北川氏は語る。メーカーやブランド間の商品の違いを感じづらくなっている。しかし、家電や日用品などに比べれば、化粧品の商品の差が小さいと受け止められる割合が低い。相対的にブランドがモノをいう化粧品分野においては、商品のブランド価値を高めることが重要だと同氏は訴える。
ここで同社がめざしているのは「マインドシェア」の最大化だ。デジタル大辞泉を引くと、以下のように解説されている。
特定のブランドまたは企業が、消費者の心の中でどの程度好ましい地位を得ているかを比率の形で示したもの。一位挙名率や純粋想起率などの知名度シェア、購入意向率やイメージ得点シェアなどが用いられる。
たとえば、代表的な消費財にはビールがあり、生活者の多くは頭の中に特定のブランドを思い浮かべる。これはマス広告で大量露出すれば達成できるとこれまでは考えられてきた。しかし、化粧品にはこの手法は適用できないと同氏は語る。生活者によって得たい満足が異なるため、高い投資対効果が得られないのだ。また、最近の生活者はスマートフォンなどで商品の評判をチェックする習慣がついており、マス広告だけで化粧品を購入しなくなっているという。
企業の「存在理念」とマーケティング戦略は一致しているか?
ここで改めて北川氏はコーセーの存在理念を紹介した。それは「英知と感性を融合し、独自の美しい価値と文化を創造する」である。化粧品開発において最も重要なのは「安心・安全」だが、付加価値として、英知(intelligence)と感性(sensuousness)のバランスを取りながら訴求することが求められるという。
左脳的要素として効能、効果、機能などがあり、右脳的要素として感性、官能などがある。どちらに偏いても商品の成功はおぼつかず、それは宣伝・マーケティング活動においても例外ではない。
この理念を受けて、コーセー宣伝部はどのような活動を展開しているか。2010年から同部門で陣頭指揮を執る北川氏が掲げているのは、「売り上げを作れる宣伝部」である。
同社では宣伝活動全体の設計・立案からメディアの選定と発注、広告・販促物の制作、店舗設計・施工などすべてのプロセスを社内で実施。約60名の部員で担っている。ワンストップで宣伝・マーケティングを行える体制を生かして、たとえば広告と店舗などできるだけ連動した活動を努めているという。
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