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- 2016/12/19 掲載
CRMのハイプ・サイクルをガートナーが発表:日本で急上昇する3つのトレンド
日本におけるCRMのハイプサイクル、注目すべきポイントは3つ
ガートナーでは、CRMを「顧客セグメントを中心に顧客満足度が向上する行動を推進し、顧客中心型のプロセスを実装することで形成される収益性、売り上げ、顧客満足度を最適化する成果をもたらすビジネス戦略」と定義している。このハイプ・サイクルは、日本のユーザー企業のCIO、IT部門のリーダー、CRM/カスタマー・エクスペリエンス管理やデジタル・チャネルを専門とするビジネス・リーダーのほか、テクノロジー・ベンダーのマーケティング、製品開発、戦略企画担当者に向けて、日本国内の状況も加味しながら、日本企業にとって優先度の高いCRM関連のアプリケーション・ポートフォリオを策定する際に考慮すべきトレンドを、業種横断的な視点で示している。
ガートナー ジャパンのリサーチ部門リサーチ ディレクターの川辺謙介 氏は「デジタルが引き起こした大きな変化の中、激化する競争環境の下で持続的成長を維持するためには、顧客の動きを把握し、他社に先んじて取り組む必要があります」と述べている。
「企業が取るべき代表的なアクションは、さまざまなデジタル・チャネルにわたる顧客の行動と意図を把握したインサイトを導出する(カスタマー・ジャーニー・アナリティクス)、個々の顧客に適したコンテンツを最適なタイミングおよびチャネルで提供する(パーソナライゼーション、カスタマー・エクスペリエンス)といった、従来の評価指標では難しいビジネス価値の提供と把握です。ITリーダーは、それらを支える顧客関連アプリケーションやテクノロジーへの投資効果を理解し、経営目線に立った適切な投資判断をサポートする必要があります」(川辺氏)
日本におけるCRMの2016年におけるハイプ・サイクルで特に注目すべきテクノロジー・アプリケーションは、「パーソナライゼーション・エンジン」「カスタマー・ジャーニー・アナリティクス」「顧客エンゲージメント・ハブ」の3つだ。
パーソナライゼーション・エンジン
初期段階においてはデジタル・コマースの用途に特化していたが、今や初歩的な顧客セグメンテーションの域を超え、個々の顧客の好みを特定し対応することができるようになったため、コマース外のコンテンツや機能も対象になった。インターネットの登場以来、顧客獲得や受注をめぐる争いは熾烈化しており、エクスペリエンスの優劣が差別化要素となっている。顧客側もまた、自身に最適なエクスペリエンスが提供されることを期待するようになり、パーソナライゼーションはもはや必須要件だとガートナーは分析する。
【次ページ】顧客「チャネル」と「エンゲージメント」を最適化せよ
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