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  • 2015/03/05 掲載

CRMベンダー4社をガートナーが比較、セールスフォース、SAP、オラクル、MSの動向

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2014年の世界CRMソフトウェア市場(売上額)におけるトップベンダーは、上から順にセールスフォース、SAP、オラクル、マイクロソフトとなった。しかし1位のセールスフォースでも市場シェアは16%に留まっており、4社すべてを合わせても46%で半数にも届いていない。こうした現状の中、2020年にユーザー企業のベストパートナーとなり得るベンダーはどこなのか。ガートナーのマイケル・マオズ最上級アナリストが、「CRMメガベンダーの競争」をテーマに解説した。(2017年10月13日追記)

2018年末まで世界のCRMソフトウェア市場は年率15%で成長する

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ガートナー
リサーチ部門
バイスプレジデント兼
最上級アナリスト
マイケル・マオズ氏
 現在の世界CRMソフトウェア市場の売上規模は、2013年で205億ドル、市場成長率は13.7%で、毎年順調な伸びを示している。ただし、「ガートナー カスタマー 360 サミット 2015」で登壇したマオズ氏は、「今、世界のCRMソフトウェア市場では、1社で20%のシェアも取れていないという状況にある」と指摘、「一方で約75%の企業はCRMパッケージを使っておらず、ほとんが内製のシステムを利用している」と説明した。

 その中で、現在市場シェアトップのセールスフォースは、CRMベンダーの中では最大規模で、SFAから始まった1999年の設立以来、長きにわたって成長を続けている。売上規模は55億ドルで、市場成長率は36%だ。

 しかしCRMソフトウェア市場には、こうしたメガベンダー以外に比較的小規模なベンダーが何百と存在しており、北米や欧州、中東、中南米、アフリカなど地域ごとに市場のリーダーが変わってくる。

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売上額およびエンドユーザー数別の2014年世界CRMベンダーのトップ10
(出典:ガートナー、2015年2月)


2017年10月13日追記
最新のデータを特別に提供いただいたので以下も参考にしていただきたい。

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2015年世界CRM市場:売上額およびエンドユーザー数別のシェアトップ10

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 またCRMソフトウェアは、4つのサブカテゴリに分けられる。

 1つめの「顧客サービス/サポート」でのトップはSAPで、これにセールスフォース、オラクルが続く。2つめの「デジタルコマース」のトップもSAP(hybris)で、これにDigital River、オラクルが続く。3つめの「マーケティング」ではアドビがトップで、IBM、セールスフォースが続く。4つめの「営業」ではセールスフォースがトップで、オラクル、マイクロソフトが続く。

 つまり「1社で、この4つのカテゴリのすべてで1位を獲得できるような企業はいない」状況にある。

 さらにCRMアプリケーションは、この4つのサブカテゴリの下に、より小さな製品分野が100以上も存在しており、非常に細かい断片化が進んでいる。

画像
CRMアプリケーションは断片化が進んでいるおり、サブマーケットは100以上にのぼる
(出典:ガートナー、2015年2月)


 次にユーザー企業側を見てみると、現在多くの企業がオンプレミスからクラウドに移行している。これがCRM市場が成長を続けている要因となっており、ここ10年以内に誕生したCRMベンダーはクラウドを中心に製品を提供している。

「クラウドが市場を駆動している。我々は2018年末まで世界のCRMソフトウェア市場は年平均成長率15%で成長すると考えている。またプロジェクトベースのCRMサービス市場も10%で成長するだろう。特に後者については、サーバのコンフィギュレーションやソフトウェアのアップグレードが必要なくなるので、システムインテグレータの役割はより小さくなると考えられる」

オラクル:幅広いCRMパッケージを提供、一方で製品ラインが複雑という課題も

 続いてマオズ氏は、4つのメガベンダー個々の強みと課題、結び付きの強い業界について言及した。

 まずオラクルは、5000社の顧客を持ち、ユーザー数は2006年に買収したSiebelだけで200万ユーザー、Oracle Cloud CRMが70万ユーザーとなっている。

 CRM分野で最も幅広いパッケージを提供しているが、しかしそのほとんどが買収によるもので、SiebelやTOA Technologies、Eloquaなど、各分野でもっとも優れた製品を探し、ほぼM&Aを通じてこの市場でのプレゼンスを獲得した。

 デジタルコマースやアナリティクス、ロイヤリティ、MDM、マーケティングなどCRMの各プロセスに幅広く対応していることが強みで、すべての業界向けにパッケージがあり、またデータベースに代表される独自のテクノロジープラットフォームも有している。さらに統合テクノロジに何年間も投資してきた実績があり、自社が提供するPaaSの上で各種アプリケーションを構築できることも大きな特長だ。

 一方で課題もある。まずCRMのどの分野に注力しているのか分かりにくいことが挙げられる。また製品ラインが複雑で、ユーザー企業にとっては、自社に適した製品も分かりにくく、またオラクルのサービスでなければ統合できないというフラストレーションがある。

 さらにSiebelについてはロードマップが明確ではなく、数年前にはグローバルで数千社いたSIパートナーが、今では恐らく1000社を切っており、後退した感があるという。アプリケーションのパートナーも比較的弱く、クラウドとオンプレミスをつなげることが難しいという現状もある。

 新規取引においては、小売、デジタルコマース、通信、公益事業、旅行/ホスピタリティ、政府機関、銀行(アジア)などの業種で肯定的に受け入れられており、B2Cに傾いている。

【次ページ】SAP、マイクロソフト、SFDC4社をガートナーが点数で比較
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