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  • 2016/11/29 掲載

ソニー、グーグル、Oculus、HTCが語る「VR」戦略、2020年までに何が変わるのか

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2016年は「VR元年」と言われるほど、業界も世間も大いに盛り上がった。「150万ドルで作っていたものが1500ドル程度で手に入れられるようになった」(HTCのJoel Breton氏)ことはその理由の1つだろう。日本では、ソニーが10月に発売したPlayStation VRが話題をさらったほか、「すべてのメーカーからVR製品が出そろった」(OculusのJason Holman氏)ことも元年というにふさわしい。さらに事業としても「収益化の道が見えてきた」(グーグルのNoah Falstein氏)という。それでは今後、VR市場はどうなっていくのか。グーグル、フェイスブック傘下のOculus、ソニー・インタラクティブエンタテインメント、HTCら、VR業界をけん引するキーパーソンが一堂に会して語り合った。
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登壇した各企業のVR製品一覧。どれもひと昔前であれば考えられないほどの価格で手に入る時代になった

VR業界にとって2016年はどのような年であったか

 11月16日に開催された「Japan VR Summit 2」(主催はグリーとVRコンソーシアム)の基調講演では、VRの主要キープレイヤーが集結し、2020年に向けたVRのビジョンと可能性について語り合った。

 まずモデレータをつとめるカドカワ 取締役 ファミ通グループ代表 浜村弘一氏が、2016年を振り返って、VR元年と言われた今年の所感について各パネラーにたずねた。

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カドカワ
取締役 ファミ通グループ代表
浜村 弘一 氏
(モデレーター)

 OculusのHolman氏は「今回、このステージにいるすべてのメーカーからVR製品が出そろった。この2016年を総括すると、多くの人々にVR体験を届けられた1年間だったと思う。我々は12月にOculus Rift用のモーションコントローラー“Oculus Touch”を出すが、これも従来と異なる体験をもたらすだろう。技術的な前進だけでなく、コンテンツ側の進展もある。ゲームの没入感だけに留まらない可能性を見いだせた。今年は多くの新しいことがスタートした記念すべき年になるだろう」と歴史的な意義を強調した。

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Oculus
Head of Publishing
Jason Holman氏

 HTCのBreton氏も「非常にエキサイティングな年だった。我々もフルプレゼンスVRを提供できた。20年前に私は空中を降りるパラシュートのVR体験をしたが、当時は150万ドルの防衛予算で作られていた。今は同様の技術が1500ドル程度でコンシューマーに届けられる。今年はコンテンツ側から見てもVRの黄金期を迎えており、分水嶺の年になるだろう。開発側もUnityなどの素晴らしいアセットがあり、強力なコンテンツを制作して、どこでもデリバリーできる環境が生まれた。ようやく我々も“約束の地”にたどり着けた。感無量だ」と語った。

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HTC Vive
VP Global VR Content
Joel Breton氏

 ソニー・インタラクティブエンタテインメントの高橋氏は「VRで新しい体験が始まった。ただし実体験をしないと、その良さがわからない。そこでイベントなどを通じて積極的に伝えてきた。また開発側もVRでプレイヤーが酔わないように工夫したり、制作法を検討することで、ハードもコンテンツも楽しめる環境がそろった。またPlayStation VRも発売され、一般コンシューマーに広げられるタイミングが訪れた。VRを伝える環境が整い、皆さんが楽しめて、クリエイターの制作環境が整ったので、本当に今後が楽しみだ」と期待を表明した。

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ソニー・インタラクティブエンタテインメント
グローバル商品企画部 担当課長
高橋 泰生 氏

 グーグルのFalstein氏は「すでに我々は500万台のCardboardを提供してきた。ダウンロードされたコンテンツはその10倍だ。これによりVRを初体験した人が増えた。現在いろいろなものを試せる環境が整ったが、VRコンテンツの良し悪しを決めるのはコンシューマーだ。私は1994年に初めてデータグローブで魔法の世界を見た。いまでは技術の進展がエンタメ分野まで広がり、誰もがVRコンテンツに没入し、新感覚を体験できる。グーグルは、さまざまなことに挑戦してきたが、VRによって何が実現できるのかという点を理解することで、新産業を創出できると思う」と次世代産業への展開を示唆した。

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グーグル
Chief Game Designer
Noah Falstein氏

【次ページ】2020年への新技術は2K/4K、フルボディ・トラッキング…その先は?
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