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- 2016/10/26 掲載
CADユーザーのコミュニティは「地方」にこそ必要だ
オートデスクユーザー会 @augijp リブートの意味
オートデスクユーザー会が初の地方ワークショップ開催
オートデスク製品の中で真っ先に思い浮かぶのが図面作成ソフトウェアのAutoCADだろう。しかし、実際には3次元機械設計や都市/造成計画、CG/アニメーションツールなど多様な製品を展開している。これは3Dモデリングの応用範囲が広がり、それぞれの分野に特化した製品を投入してきた結果だ。「AUGIと名前がつく前に一度、山形でワークショップをやったことがあります。それ以来の地方ワークショップとなりました。AUGIjpが休眠している間に私自身が富山に引っ越したため、いつかリブートしたら富山でワークショップをやりたいねという話をしていました」(星氏)
AutoCADの基本的な機能を解説
まずユーザーセッションに登壇したのは、AutoCAD関連で多くの著書も手がけてきた芳賀 百合氏だ。「実務で使える!ダイナミックブロック入門」というセッションでAutoCADの基本的な機能であるダイナミックブロックについて紹介した。
ダイナミックブロックとは、PowerPointでいうグループ化のような機能で、複数の図形パーツを単一の図形として扱える機能だ。部品集として登録しておけば簡単に呼び出して使えるため、自分の業務で頻繁に使う図形を毎回作成しなくてもよい。
ダイナミックブロックは変形が可能で、設定次第では変形後のサイズをあらかじめ数パターン登録可能だ。例えばアルミサッシの基本的な定型サイズを事前に登録しておけば、部品集から呼び出してプロパティを選択するだけでそのサイズのアルミサッシを描画できる。集計時にもサイズ別に集計されるので、実際に発注すべき点数をサイズ別に把握できる。ルックアップテーブルで建具記号を指定しておけば、図面内や集計表内に建具記号を表示させることも可能だ。
作図標準の重要性と作り方のポイント
「図面を作成する際に品質を保つためのガイドライン、それを明文化したものが作図標準です。作業を迷わず進めるための規則であり、複数人で作業をしても同じ品質を保つためのルールでもあります」(戸田氏)
「新しいルールを作ることは、現場では作業する人たちから喜ばれることではありません。図面内の品質や作業を均質化するということは、その人独自のやり方を制限することでもあるからです。しかし作図標準があれば、設計者にもメリットがあるのです」(戸田氏)
例えば「共通パーツは必ずブロックを使用して作図する」というルールを作図標準として定めたとする。同じブロックを使えば図面内の品質が均質化し、作業者は毎回同じパーツを作る必要がなくなる。手間が減るだけではなく、作業の進め方の指標にもなり個々人が悩むシーンを減らせるという。
「作図標準があると、自動化ツールも使いやすくなります。同じルールに則って作業している人が多ければ多いほど、自動化ツールの効果は大きくなり、適用範囲も広げられます。結果的に作業者の負担も減るのです」(戸田氏)
明文化されていないだけで、作図標準のもとになる暗黙のルールには多くの設計現場にすでにあるはずだと戸田氏は語る。特定の部材や建具の色を他の作業者と合わせていたり、ブロックを分解しないようにと先輩から後輩に口頭で指示されていたりといった暗黙のルールを明文化していけば、作図標準は作れるというのだ。
「全体で取り組むのが難しければ、仲のいい数人と部品集やテクニックを共有したりしていけば、作業が楽になっていくはずです」(戸田氏)
【次ページ】なぜAUGIjpを復活させたのか? 地方だからこそ必要なこと
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