グローバル基準の図面作成「あうんの呼吸」が通じない海外製造拠点に正しく伝えるには?
幾何公差の使用は待ったなし!海外製造拠点に設計意図を正しく伝える方法とは
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日本の設計製造現場に求められるグローバル標準の「幾何公差」
設計製造の現場ではグローバル化が進み、部品や材料を海外製造拠点から調達することが増えている。海外の製造拠点の技術者に対して、設計意図を製造現場に正しく伝えることができないと、製品の品質を左右するなど大きな影響をもたらす。これまで製品図面における仕上がり寸法の誤差の許容範囲は「寸法公差」として定義されてきたが、円形などの形状や左右対称位置の定義などの「幾何公差」は、専門的知識が必要なため、あいまいなまま現場の「あうんの呼吸」に任せられていた。
一方、海外の企業では既に幾何公差を活用し、正確な製図を現場に伝えるだけでなく生産性や品質の向上も図っている。
2016年に改定、JISの変化
2016年3月、日本工業規格(JIS)の改正によって、図面には「幾何公差」が必須となった。2016年版のJISの製図において、「製品の幾何公差使用(GPS) - 寸法の公差表示式 - 第一部:長さにかかわるサイズ」(JIS B0420:2016)が制定された。今までの寸法と言われていたもの一部が「サイズ」と規定され、「寸法公差」は「サイズ公差」に変更になった。芸林氏は「今までは“寸法公差文化”でしたが、欧米諸国ではGPSの概念が普及しつつあり、日本がグローバルで置いていかれる懸念があってJISが制定されました。概念自体はそう大きくは変わらないという認識ですが、その考え方は異なります」と説明する。
また、萩原氏は「実際に『幾何公差の適応率100%を目指す』という海外企業はたくさん存在します。対して、日本にはまだまだ知識が浅い企業が多くいます。JISの変化についても現場の人はほとんど知らないこともあります。まだ『長さ寸法』『角度寸法』という呼び方をしているケースすらあります」と設計製造の現場の状況を説明する。
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