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- 2015/05/15 掲載
製パン業界の巨人ヤマザキパン、逆境下での増収増益の実現を象徴する2つの革新商品
高品質・高付加価値戦略が奏功
確かにパンは生活必需品で単価も安く、オープンプライスで同じ商品でも店によって価格が大きく異なるため、安い単価の店では割安感を感じてしまうといった心理的な要因が考えられる。しかし、最大の理由は同社が明確に高品質・高付加価値戦略をとってきた成果と言えそうだ。
実際、売上高営業利益率は前年より0.4%増で底を打った。営業利益の伸び率が売上より大きいのは、付加価値の高い商品が売れたことを物語っている。具体的には、「ロイヤルブレッド」(前年比168.9%)、「ヤマザキゴールドシリーズ」(前年比852.3%)などの高付加価値商品の販売が堅調だった。
そもそもヤマザキパンの強さは、ロングラン商品の多さにある。そのため、どこの店に行っても、ヤマザキパンの商品は並ぶ。PB商品が主流の大手コンビニエンスストアにさえ、PB商品と並んでヤマザキパンの商品が置かれているほどだ。
また、その巨大な規模を生かした圧倒的な種類のパンの生産体制も強みだろう。その結果、小売店のパン棚は、ヤマザキパンの多種多様なパンだけで埋まってしまう。
これら既存商品において、前年以上の売上を達成するためには、販売促進活動が重要となる。フェアやキャンペーンなどを何度も行う必要があり、商品だけで販売を大きく伸ばすことは難しい。売上を順調に伸ばしていくためには、堅実な販促活動とともに新商品を開発して新たな需要を開拓しなければならない。実際、販管費は前年と比べて1%増える結果となった。
【次ページ】爆発的ヒットを飛ばしたあの商品もヤマザキパン
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