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- 2014/08/08 掲載
ソフトバンク 孫社長が描く日本復活の方程式、情報武装とロボット活用が鍵を握る
一刻も早く情報武装に取り組み、生産性を高めることが必要
「私なりの方程式を述べさせていただきたい。それが、生産性×労働人口=競争力だ。生産性を上げ、労働人口問題を解決すれば、日本の競争力は必ず取り戻すことができる」
まず生産性について、その鍵は情報武装にあると孫氏はいう。
2018年には、1つのCPUに含まれるトランジスタの数が人間の脳細胞の数、即ち300億個を超えるとみられているが、2040年までの間に1CPU当たりのトランジスタ数は30億個から3000兆個へ、100万倍になるという。またメモリ容量は32GBから32PBへ、モバイル通信速度は1Gbpsから32Pbpsへ、それぞれ100万倍、300万倍になると予想される。
「コンピュータの処理能力はどんどん進化し、メモリ容量は劇的に増え、さらにモバイル通信速度も劇的に速くなる。この3つの基礎的要素が情報のビッグバンを加速度的に推し進め、その進化を手にすることで、我々は生産性を上げることができる」
さらに孫氏は、この中でも自身が特にこだわりを持っているのがモバイル通信の分野で、ソフトバンクが世界で初めて、銀座の街中で1Gbpsという通信速度を達成したと強調する。
「これからは無限大の計算能力、無限大の記憶容量、無限大の通信速度が当たり前の時代がやってくる。そしてあらゆるデバイスがクラウドとつながり、全てのデータがクラウドに格納される時代が訪れる。そうなれば、人々のワークスタイルやライフスタイルは、劇的に変化するだろう」
そうした時代の到来を前に、企業には一刻も早い情報武装が求められるという。
「ソフトバンクでは全社員にiPhoneとiPadを渡し、全員がクラウドを活用している。これによって、2009年から2014年までの間に契約件数は2.3倍、獲得回線数は2.7倍になった。日本経済が全然成長していないこの時期に、一人当たりの生産性が倍以上になった。経費は横ばいで、従業員数も横ばい、でも獲得回線数が倍になれば利益も増える。情報武装によって生産性を上げるというのは、こういうこと」
一方、ある調査によれば、現在の日本企業におけるスマートフォン/タブレット/クラウドの導入率はいずれも30%程度で、まだまだ情報武装できているとは言い難い。
「まずは使い始めることが重要だ。他社に先んじて情報武装することが、競争力の獲得につながる。織田信長が天下を獲ったのは、他者よりも速く鉄砲を最大限に活用したからだ。歴史を振り返ってみれば、その時代の最新の文明の利器を最も早く、最大限に活用した人が新しい時代を切り開き、力を獲得している。全ての日本企業が、スマートフォン、タブレット、そしてクラウドを活用すべきだ」
【次ページ】ロボットを3000万台導入すれば労働人口は世界一になる
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