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- 2015/03/16 掲載
自民党 平井卓也 IT戦略特命委員長が語る、サイバーセキュリティ基本法制定の狙い
自民党IT戦略特命委員会の下で動く4つの大きな柱とは?
政策研究大学院大学科学技術イノベーション政策研究センター主催のシンポジウム「サイバー時代の情報戦略と政官民連携~米国の経験をふまえて~」で登壇した平井氏は「まさに現在は第3次産業革命の真ん中にある。ちょうど折り返し地点に達したというのが我々の感覚だ。これから世界は加速し、産業の大きなチェンジもあるだろう。また社会も大きく変わっていくはずだ」とITの重要性を説明する。
IT基本法が施行された2001年当時、国民の権利・義務、特に利益定義は現在のものとは異なっており、セキュリティの概念はなかった。いま個人情報保護法改正の最中だが、これを個人情報の利活用と保護のバランスをとる法律に変えるのは、もともとの趣旨からは難しい。
平井氏は「本来ならば、パーソナルデータの利活用促進法のような法律をつくる必要がある。しかし憲法と個人情報保護法との関係を考えると、容易に実現できるものではない。そんな問題意識で悩みながら、仕事をしているのが現状だ」と吐露する。
このような状況で、平井氏が委員長を務める自民党IT戦略特命委員会の下で動いているのが「政府情報システム小委員会」「マイナンバー利活用小委員会」「賃金決済小委員会」「国会におけるIT機器利活用小委員会」という4つの委員会だ。
政府情報システム小委員会では、政府のIT投資の無駄をなくし、電子政府の最適化を目指している。一方、マイナンバー利活用小委員会では、今年からスタートする制度をいかに国民にとって利便性の高いものにするのか、税と社会保障と災害だけでなく、民間サービスとの連携を考えている。
「エストニアでは同様のカードで3000のサービスを受けられるそうだ。かつて日本は住民基本台帳カードを採用したが、うまくいかなかった。今度のマイナンバー制度は、国民から本当に必要だと思ってもらえるものにしなければならないという問題意識を持っている」
賃金決済小委員会では、2020年までに電子マネーなどの少額決済や、国際的な賃金決済にどこまで対応できるか、セキュリティ・利便性・費用対効果なども考えながら検討中だ。「海外から多くの人々が日本に訪れるが、カード決済への対応がスムーズにいかず、オモテナシ度に欠ける面があるからだ」という。
また国会におけるIT機器利活用小委員会では、国会議場に何を持ち込んで使ってよいのか、モバイル機器をいかに使うべきか、といった議論がなされているという。「地方議会ではペーパレス化が進んでいる。国会でも対応しなければならない」。
【次ページ】いよいよ始動したサイバーセキュリティ基本法
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