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- 2015/05/14 掲載
セブン-イレブン 井阪隆一社長が語る、最強ブランド実現への三位一体改革
社会環境と生活様式の変化という課題に応える「近くて便利」というコンセプト
コンビニ最大手のセブン-イレブンには全国で1日あたり1800万人もの顧客が来店する。コンビニ業界を取り巻く環境について、ブランド評価調査プロジェクト「ブランド・ジャパン」の発行15周年記念ブランドセミナーに登壇した同社代表取締役社長の井阪隆一氏は、「日本は課題先進国」という表現で説明した。「65歳以上の高齢化人口は全人口の25%を超え、遠隔地へ買い物に行くのに苦労する“交通弱者”が増えています。世帯構成に目を移せば、日本の5千万世帯の約6割が2人以下の世帯で、単身世帯は約1400万にのぼり、2人世帯は1600万世帯を超えています」
また、働く女性の増加により、15歳から64歳の女性の64%が何らかの仕事に従事しており、これにより、生活様式も変化している。
「今までのように、スーパーで生鮮食品を買って、自宅で料理する生活様式が変化しています。それを裏付けるのが、食の外部化率を示す数字で、支出に占める外食と中食(惣菜などの購入、宅配などを利用し、家庭外で調理されたものを食べる形態)の割合は2013年には45.1%に達し、外食市場は24兆円、中食の6兆5千万円と併せて約30兆円の市場規模です」
これに対し、小売店舗数は減少を続け、「ピーク時の1982年から30年間で約3分の1に減少」した。その一方で、売り場面積は増加を続けている。すなわち、身近な小売店が減少し、大型店が増えているのだ。
「高齢化が進み、働く女性も増え、近所でお買い物をしたいけど買うところがない。そこで我々のコンビニが役に立てるのではないかと考え、ブランドの再定義をしました」
2010年秋に同社が打ち出したブランドコンセプトは「近くて便利」というものだ。一見、当たり前に聞こえるかもしれないが、上述したような、高齢層や働く女性にとって「近くて便利」を実現するため、同社は様々な施策を打ち出していく。
【次ページ】64か月連続で前年増を続けるキラー商品とは
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