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- 2014/05/28 掲載
攻殻機動隊と孫子で説くリーダー論“スタンドプレーから生じるチームワーク”(前編)
連載:名著×少年漫画から学ぶ組織論(6)
リーダーシップが正しく発揮されるには
建設現場のような、多くの人が連携して動かなければそもそも仕事が成立しない業界はもちろんのこと、創造性や少数精鋭が第一とされるような仕事でも、個々人のモチベーションを高め、各々の強みを糾合するということは、全体のパフォーマンスに直結する。
チームを構成する一人ひとりは欠点があったとしても、それぞれがそれぞれの持ち味を発揮して、互いに足りないものを補いあい、持てる長所は伸ばし合うことで、それが飛び抜けた成果につながる――。このようなチームワークは日本人の組織観における理想である。
例えば大ヒット書籍「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」のなかで提示されたのもこの種のチーム観であったわけだが、フィクション作品でなくとも、プロ野球チームの名監督の逸話、あるいは映画やテレビドラマなど、様々な形で、このような物語が語り継がれ、称賛されてきた。
それは、多くの人々が、このような理想の組織に強い憧れを持っているということを意味しているわけだが、裏を返せば、身近にそのような組織が存在しないということでもある。飲み屋の片隅で、またはSNSのタイムラインで、「チームワークの不在」を嘆くの声を聞かないことはない。
どうして組織が機能しないのか?
それは言うまでもなく、リーダーシップの問題である。正しくリーダーシップが発揮されるということと、組織において人が適材適所で十分な働きを見せるということは、ほぼ同義である。
これは太古の昔からの人類の課題であり、そんなに新しい話ではない。
例えば孫子兵法とは、2500年前に書かれた軍事論であるが、ちゃんとそういう話が書いてある。
善く戦う者は、これを勢に求めて人に責(もと)めず、故に能く人を択びて勢に任ぜしむ。
(孫子兵法 勢篇)
集団同士での戦いは、個々の人間のスタンドプレー、才能にだけ頼っていては勝つことはできない。人を選び適所に配置して、軍全体の勢いが生まれるようにすることで力が発揮される、ということである。
繰り返しになるが、これは太古の昔からの人類の課題である。2500年前から人類は、組織力の糾合が勝利に不可欠であると認識しながら、それを実現させることの難しさの前に苦労し、現代まで試行錯誤の歴史を積み重ねてきたのである。
【次ページ】孫子が説く「負ける組織」の特徴
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