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ルネサス エレクトロニクスと村田製作所、ユビキタスの3社は、今後数年でIT化、ネットワーク化が進み、クラウドとの連携の加速が予測されるIVI(In-Vehicle Infotainment:車載インフォテインメント - 車載情報機器)分野での市場拡大を想定し、各社が持つ車載分野での技術、ノウハウを活かした共同技術開発を開始したと発表した。
今回の共同技術開発は、車載インフォテインメント分野で世界No.1シェアのルネサスの最新車載向けSoC「R-Car」と、グローバルでトップシェアの実績を持つ村田製作所のWi-Fiモジュール、ドライバーソフトウェア、さらに車載機器で採用が拡大しているユビキタスの高速起動ソリューションおよび無線通信ソフトウェア技術をベースに、最新の規格に対応しつつIVIシステムの高速起動を実現するというもの。
近年、スマートフォンの普及によるネットワークサービスの利用が身近な存在となり、車載環境においてもネットワークサービスを利用したいという要求が高まっている。こうした中、スマートフォンとIVIを接続する標準規格の策定が進んでおり、今後ますます複雑かつ高機能化していくことが予想されている。
こうしたことから、最新のIVIのプラットフォームでは、従来の専用化された組込みシステム向けOS(オペレーティングシステム)から、主として情報システムで利用されていた高機能なネットワークOSの導入機運が高まりつつある。
これらのOSは汎用的かつ高機能であるため、システムの起動に一定の時間を要するが、その一方でエンジンの始動からすぐのバックカメラ表示や、ラジオ音声の出力など、システムの高速起動が強く求められている。
今後はさらに、車内でのネットワークサービスを快適に利用できるようにするため、IVIとスマートフォンをつなぐWi-Fiの高速なリンクアップが重要な要素になると予測し、3社が持つ強みを活かしたソリューションの創出を目指し共同で開発に取り組むことになったという。
スマートフォンの爆発的な普及に伴い、車載環境におけるネットワークサービスの検討が進んでいる。そうした中、IVIへのWi-Fi搭載は本格化を迎えようとしており、搭載数量の急激な成長が期待される。スマートフォンではIEEE802.11nの次世代規格IEEE802.11acへの対応が進み、ほどなく車載環境への導入が始まると予想されている。
IEEE802.11acが実現する高速スループットは、快適なネットワークサービスの実現にとどまらず、Miracastに代表される動画コンテンツのスムーズな視聴を可能とするなど、車載インフォテイメントをより魅力あるものにすることが期待されている。また、初期接続・認証を高速に行うIEEE802.11aiは、ユーザーの利便性向上につながるとされている。
村田製作所は2012年12月にユビキタスと資本業務提携を行い、近距離無線通信の開発力を強化していたが、今回それをルネサスの車載インフォテインメント分野へと拡大した形。
ルネサスの第一事業本部 自動車ソリューション事業部 事業部長 西原 達也氏は「スマートフォンとの連携技術は、次世代車載情報端末市場での最も高い要求の1つであり、弊社のR-Carビジネスにおいても最重要なソリューションと捉えています。」とのコメントを発表。
村田製作所 取締役 常務執行役員 通信事業本部 本部長 中島 規巨氏は「これからの自動車は“つながる”ことが不可欠になっていくと予想される」とし、ユビキタス 代表取締役社長 三原 寛治氏は「車載機器での高速ネットワーク接続技術を早期に提供できるよう全力で取り組んでまいります。」と意気込みを語っている。
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