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  • 2012/09/18 掲載

M2M導入事例:テレマティクスによる車両運行状況の見える化が日本テクノにもたらしたもの

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1995年4月に設立された日本テクノは、電力エネルギーに関する各種サービスを提供する企業だ。東日本大震災以降、電力問題やスマートグリッドなどが急速に注目を集めているが、同社はその遙か前の2002年から電気の“見える化”に取り組んできた。そんな日本テクノが、営業社員や技術社員が運転する車両に対して、その運行状況を“見える化”するテレマティクスを導入したのは自然なことと言えるかもしれない。テレマティクスの導入によって、日本テクノにはどのような変化が表れたのか。実際の取り組みとその効果について紹介する。

電気を“見える化”し、電力コスト低減をサポートする

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 はじめに日本テクノの事業内容を簡単に紹介しておこう。

 電気を多く使う企業(高圧契約の企業)では、「キュービクル」と呼ばれる高圧変電設備をオフィスビルの屋上、店舗や工場の敷地内に設置し、電力会社から送られてくる高圧電力を低圧の100Vや200Vに変圧して利用している。このキュービクルには安全性の確保のため、定期的な点検が義務付けられている。しかし点検時に異常がなくても、次の点検までに停電や漏電などの事故が起こる可能性は否めない。

 そこで日本テクノでは1996年から、このキュービクルの停電や漏電などの異常をネットワーク経由で24時間監視する「ESシステム」の販売を開始した。万一キュービクルに事故が発生した場合には、顧客企業と日本テクノの監視センターに通報が入り、さらに担当技術者が現地に急行する体制が敷かれている。

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日本テクノのキュービクル(変電設備)監視サービスの概要

 そして、2002年から販売を開始しているのが電力使用量を30分単位で計測できる機能を搭載した「ESシステムDNA」だ。日本テクノが「ESシステムDNA」を提供するきっかけになったのが、高圧電力を利用する企業の電気料気のしくみだ。たとえば家庭の場合、使用電力が契約アンペア数を超えればブレーカーが落ちる、という分かりやすい仕組みになっている。しかし企業の場合、契約電力を超えたからといって電力供給が即座に断たれてしまっては、企業活動そのものが成立しなくなる。

 そこで高圧契約の法人の場合、契約電力を超えても電力使用は保証されるが、超えた当月からの1年間はその月の最大需要電力(デマンド値)を基準にした基本料金が適用されることになる(※低圧契約の場合は一般家庭同様、ブレーカーが落ちる)。仮に翌月からのデマンド値が前月を大きく下回ったとしても、1年間は高い基本料金が設定される。

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高圧契約の企業の電力料金の割り出し方

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企業内の電力の使いすぎを色と表情で知らせる専用モニター「SMARTMETER ERIA」

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時計の外周にLEDを配置し、省エネのタイミングを知らせる「SMART CLOCK」。社員の目線が時計にいけば、色の変化で現在の電力逼迫状況が把握できる
 そのため、企業内で使用される電力を見える化し、契約電力を超えそうになるとシステムが予測した時に、同社製のモニターや時計が光や音で警報を発する。それに合わせて顧客自身が不要な照明や空調をセーブすることで、最大デマンド値を低く抑えることができる。これにより、ある精密機械部品製造事業者では、年間300万円以上のコスト削減を実現したという。ちなみに「SMARTMETER」(スマートメーター)は同社の登録商標となっている。

 この「ESシステムDNA」が評価され、日本テクノは2012年4月、経済産業省が公募した「平成23年度エネルギー管理システム導入促進事業費補助金」において、エネルギー利用情報管理運営者「BEMSアグリゲータ(注1)」として採択された。

注1 BEMS(=Building Energy Management System)とは、電力の見える化を図り、電力使用の抑制/制御機能を有するビルのエネルギー管理システムのこと。BEMSアグリゲータは、補助金対象となるエネルギー管理システムを導入しようとする企業に対し、BEMSとエネルギー管理支援サービスを提供する。

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