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- 2011/04/04 掲載
【インタビュー】 「見えない無線をコントロールし、あらゆる業務にRFIDで貢献したい」
マイティカード 取締役 徳永克也氏 に聞く
法改正で中出力ハンディ機が使用可能に
高出力RFIDは広い場所での利用に適しているが、移動するには無線局の届け出が必要であった。一方、特定小電力では流通業のように膨大な数のRFIDタグを処理する業務には向いていない。中出力も届け出は必要だが、常時同じ場所に設置しておく必要はなく、持ち歩いて利用することができる。出力が十分にあり、移動して利用できる中出力RFIDが許可されたことで、場所にとらわれることなく本格的なRFIDタグ利用が可能になった。2010年の改正による変化を、マイティカード 取締役 営業・マーケティング本部長 システムエンジニアリング本部長の徳永克也氏は次のように解説してくれた。
「2010年の改正による変化をわかりやすく言うと、ハンディターミナルが高出力化し、車載機や移動機の活用シーンが広がったということです。それにより、ハンディターミナルに新たなネットワーク機能が求められるようになりました。それが3G通信機能です」
RFIDのハンディターミナルは、読み取ったRFIDタグを上位のサーバに送信したり、サーバ上のデータベースと照合を行ったりすることが多く、通信機能が欠かせない。これまでは特定の場所でのみ利用していたので、無線LAN等の通信環境を整えてハンティターミナルを利用していた。中出力RFIDが認可されたことで、場所にとらわれずにRFIDを利用したいという需要が高まり、3G通信機能付きの端末が人気を集めているという。マイティカードが取り扱うAT870-RFもそのひとつだ。
3G通信で利用場所を問わないAT870-RF
無償で添付されるユーティリティソフトウェア「Mighty Utility」を使って、基本的なRFIDタグの処理を行える。RFIDタグの読み取り、書き込み、タグIDのCSV出力などが可能だ。あらかじめ商品リストを作成しておけば、読み取ったタグのリストを商品名で作ることができるほか、予定数量に対する消込読取(予定読み取り)も可能だ。RFIDタグ処理の基本となる機能が揃っているので、使用感を確かめてから実際のアプリケーション開発に乗り出すこともできる。
徳永氏はそう語り、商品だけを提供する商社とは違い、ソリューションを提供しているのだと強調した。よりよいソリューションを提案するために、ヘルプデスクではITサービス管理であるITILに基づいたコール管理も行っている。ユーザーからの問い合わせトレンドを分析し、問題の洗い出しや改善提案まで行っているという。
国産リーダライタとは違い、グローバル展開が容易なのもAT870-RFの特徴だ。多くの国の電波法下で使えることがわかっているので、海外拠点と国内拠点をひとつのソリューションでカバーできる。国境を超える物流にも対応可能な上、世界各国で同じソフトウェアを使えるので物流管理コストの低減も可能だ。
【次ページ】中出力ハンディターミナル活用の事例を紹介
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