- 会員限定
- 2014/06/11 掲載
富山県の次世代路面電車LRTにおけるM2M時代のスマートICT活用
本研究は、近い将来のM2M普及に備えて中心市街地のさまざまな場所で ICT機器を利用できるようにすることにより、中心市街地の賑わい創出につながる新たな価値を生活者に提供することを目的としている。具体的には、富山市内の路面電車環状線を走るライトレール(愛称、セントラム)を対象として、以下の三つのシステムを開発し、実証・評価することでその有効性を確認した。
- セントラム内に独自に開発したデジタルサイネージシステムを設置し、運行位置に合わせて沿線店舗の広告をタイムリーに提供
- セントラムに乗車したお客さまが、スマートフォンで稼働するAR(Augmented Reality:拡張現実)システムを使って簡単にまちなか情報を取得
- スマートフォンに、セントラムの走行位置など運行状況に関する情報をリアルタイムに提供
はじめに
街と街をライトレールのような公共交通でつなぐこと、すなわち「串(公共交通)と団子(街)」の実現が富山での取り組みを表している。このような街づくりを指向する中で、ICTによる中心市街地の賑わい創出を目指し、平成23年度から平成24年度の2年間にわたって、富山大学工学部と共同で以下のような三つのシステムを新規に開発し、富山市内での実証実験を実施した。
- デジタルサイネージシステム
- ARシステム
- ナビゲーションシステム
本稿では、上記システムの概要について説明した後、実証実験の内容とその評価について述べる。また、路面電車という移動体向けシステムを開発して得られた知見や、産学官が連携するうえで留意した点等についても述べる。
【次ページ】移動体向けシステムの開発で得られた知見
関連コンテンツ
PR
PR
PR