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- 2024/06/14 掲載
OpenAI・エヌビディアは「目の上のたんこぶ」…生成AI制覇ねらうマイクロソフトの絶望
連載:米国の動向から読み解くビジネス羅針盤
生成AIブームの陰で「OpenAI・エヌビディア依存」
たとえば、マイクロソフトがOpenAIの営利孫会社株式の49%を保有し、総額130億ドル(約2兆円)を超える膨大な出資金を投じる見返りに、OpenAIのLLMであるGPTをCopilotの基礎に据えた。これは、裏を返せばマイクロソフトがGPTをしのぐLLMを開発できなかったからだとも言える。
また、クラウドベースのAI用スーパーコンピューター構築で、エヌビディアのA100やH100といったGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)を大量購入した。GPUは慢性的に不足していて、なかなか調達が難しいのもあり、マイクロソフトはMaia 100やCobalt 100といったGPUを内製しようとしているものの、エヌビディア製品を超えるレベルに達しているとは言い難いものだろう。
事実、下の図1が示すように、マイクロソフトはエヌビディアにとって、2023年11月~2024年1月の売上で推定15%を占めた最大の顧客だ。その割合は、メタやアマゾン、アルファベット、デルよりも大きい。
エヌビディアの顧客別売上構成(2023年11月~2024年1月) | |
顧客企業 | 売上における推定比率 |
マイクロソフト | 15% |
メタ・テクノロジーズ | 13% |
アマゾン | 6.2% |
アルファベット | 5.8% |
デル・テクノロジーズ | 5.8% |
スーパー・マイクロ・コンピューター | 5% |
マイクロソフトは、主力事業に育てようとするAIビジネスの核心部分で、OpenAIとエヌビディアに深く依存している。だから、その関係性は「蜜月」に見える。
だがマイクロソフトとOpenAI・エヌビディアの関係は、必ずしも蜜月ではなく、実は「片手で握手して、もう片方の手で殴り合い」をしているような側面が見られる。
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