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マイクロソフトが11月に一般提供を開始させた、万能タスク管理ツールのMicrosoft Loop(マイクロソフト ループ)が話題だ。Microsoft Loopとは、チームや組織がMicrosoft 365の各種アプリケーションをリアルタイムかつ共同で作業できるキャンバスアプリだ。機能を見ると、表面的には競合の
Notion と酷似しているように思われるが、設計思想や狙いは大きく違う。ではMicrosoft Loopは会社の業務にどのように役立つのか。その機能や始め方・使い方、Notionとの違いなどを、わかりやすく解説する。
Microsoft Loopとは何か
Microsoft Loopとは、Microsoft 365の各種アプリケーションを連携させ、チームや組織がそれらのアプリをリアルタイムで共同作業できるようにした新たなキャンバスアプリ。マイクロソフト版のNotionとも言われている。Notionとの違いについては
後ほど紹介 する。
マイクロソフトはこれまで、WordやExcel、PowerPointやOutlookなど、世界で最も広く普及した仕事効率化ソフトウェアの詰め合わせであるMicrosoft 365製品について、法人・組織におけるコミュニケーションの場面でより使いやすくなるよう工夫を重ねてきた。その1つの集大成が、同社のAzureクラウド上でMicrosoft 365製品を使いながらコラボレーションを可能にする
Teams だ。
チームコミュニケーションの競合アプリ、
Slack に対抗してリリース。チャットやビデオ会議、スケジュール管理を中心に作業フローを効率化・合理化できるとして人気を博した。2023年11月には、全世界のデイリーユーザー数が3億2000万人に達し、押すに押されぬ業界標準の座を確立した。
しかしTeamsのユーザーインターフェース(UI)では、チャットやビデオ会議、スケジュール管理などが「入り口」として設定され、実際に作業の大半が行われるWordやExcel、PowerPointが「脇役」となっている。また、Microsoft 365製品におけるリアルタイムでの共同作業の面でも使いにくさが残っていた。
この欠点を補うべく登場したのが、強力かつ柔軟なキャンバス機能にコンポーネントを組み合わせた新しいアプリケーションのLoopである。
正式リリースはいつ? 料金は?
2021年11月2日に開催された「Microsoft Ignite」で発表され、2023年3月にMicrosoft 365内の新機能としてプレビュー版を公開。2023年11月15日には、法人向けの「Microsoft 365 Business Standard」、「Business Premium」、「E3」、「E5」のアカウントを持つユーザーを対象に提供開始を
発表 した。
先述の通り、4つのプランで利用でき、料金は次の通りである。なお、いずれのプランについても、マイクロソフトご自慢の生成AIアシスタントである
Copilot を利用する権利が与えらえている。
Microsoft 365 Business Standard:
月1,560円 (税抜き)/ユーザー
Microsoft 365 Business Premium:
月2,750円 (税抜き)/ユーザー
Microsoft 365 E3:
月4,500円 (税抜き)/ユーザー
Microsoft 365 E5:
月7,130円 (税抜き)/ユーザー
Microsoft Loopの始め方
Microsoft Loopは、ホームページだけでなく、PCアプリやiOS・アンドロイドアプリをダウンロードすることでも利用できる。ホームページおよびダウンロードページは以下の通りだ。
Microsoft Loopで何ができる?
実装する機能として、プロジェクトの重要な情報を集約した共有スペースである「ワークスペース」、Office製品内での作業を部分的に切り取った「コンポーネント」、コンポーネントやファイルの管理・整理を行う「ページ」がある。
WordやExcel、PowerPoint、Outlookなどのアプリと紐づいたコンポーネントは、リアルタイムで同期されてOneDrive上に保存されていくため、毎回情報を更新する必要がない。
たとえば、共同作業が許可されたチーム内の参加者に送ったメールをOutlook内で閲覧しながら、メール内のExcelテーブルに関してブレインストーミングを行うことが可能だ。Outlookを離れることなくリアルタイムで変更を加える、といった新機能を利用できる。
つまりLoopは、マイクロソフトのチームコミュニケーションアプリの集大成であり、Microsoft 365内の共同タスクをより速く、より直接的に行えるツールであると言えよう。
また、2024年初頭に情報漏洩対策(DLP)が追加され、2024年中盤にはワークスペース上の管理者による制御機能、同じくワークスペース上のデータライフサイクル管理機能が加えられる予定だ。
では引き続き、Loopの「ワークスペース」、「コンポーネント」、「ページ」の各機能の詳細を見ていこう。
Microsoft Loopの「3つの機能」と使い方
■ワークスペース
Loopアプリを開くと、まず現れるのが共有空間のワークスペースだ。
参加者が同時に別々の作業を行える場所であり、進行中のタスクはグループ化が可能。チームメンバーが個々の作業を行いながら全体を俯瞰できるように設計されている。
それぞれのタスクの進ちょく状況を簡単にチェックできるため、チームのリーダーから末端社員に至るまで、プロジェクトの全体像を共有・把握できる。いわば、オフィスの「大部屋」に相当する。
作成されたそれぞれのプロジェクトは、コラボ可能なリアルタイムのファイルエクスプローラーのような形で表示される。ここから出発して次に、プロジェクト内の実際の作業を行う場所が「ページ」である。
【次ページ】もう2つの機能と「Notionとの違い」を詳しく解説
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