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- 2023/03/23 掲載
なぜ人気最強「無印良品」が“そっくり企業”に負ける事態に…? 日本企業の残念な盲点
ブランド人気は絶大なのに業績不振の謎
独自の商品コンセプトで幅広い世代に親しまれている生活雑貨ブランド「無印良品」(以下、MUJI)。国内に525店舗を展開しているが、中国にも337店舗を展開し、20代、30代を中心に根強いファンがいる。中国でのMUJIに対する印象は、簡素、自由、快適といったもので、高級というよりは上質なイメージ。特に若い世代の間では環境保全や社会問題に対する関心が高まり、大量消費が避けられるようになり、そのライフスタイルともMUJIはシンクロをしている。個人間で商品を売買できるフリマサービスなどでは、MUJIの紙製のショッピングバッグが取引されているほどの人気ぶりだ。20代、30代に限れば、MUJIとユニクロが中国で最も浸透している日本ブランドだと言える。
ところが、業績は日増しに苦しくなっている。中国事業の営業収入は、2022年度に866.43億円となり、年々成長をしているが、これは店舗数が増えているからで、既存店+オンライン売上を見るとMUJIの不調が見えてくる。
MUJIの会計年度は9月始まりであるため、2019年Q2以降がコロナ禍にあたり、そこでの乱高下は致し方がない。しかし、注目をしてほしいのは、2016年にはすでに成長が止まり、2018年以降は前年割れの状態が続いているということだ。なぜ、ブランドへの人気は高いのに、業績が下がっているのか。
要因は良品計画も認識済み、それでも一筋縄でいかない事情
日本の価格改定以降、その格差は縮まったものの、それ以前の価格では1,500円もの開きがあった。中国の消費者も日本版ECサイトを見れるため、販売価格が高く感じること以上に、このような日中の価格差に疑問を持っている人が多いのだ。
そのため、中国の消費者たちは大型セールの時期にMUJI製品を購入する。2022年11月11日のセールでは、大幅割引をされて310元(約6,000円)で販売されていた。つまり、大型セールの大幅割引で、日本とほぼ同じ価格になるため、セールのときに購入するというのがMUJIファンたちの常識になっている。
このことはMUJIを運営する良品計画も認識をしているようだ。2021年の年報には、中国事業について「近年は業績拡大のペースが鈍化していると認識しています。これは、日常的に商品を購入するには価格がやや高いとの認知や……」という記述がある。日中の価格差を解消することは、中国のMUJIにとって最大の課題だったが、日本での値上げにより、皮肉にも価格差が一定程度解消されることになった。
しかし、これでMUJIの中国事業の業績が回復するとは限らない。中国の消費者にとっては、価格はやはり高いままだからだ。そしてこの価格設定が、ライバルに成長をする隙を与えてしまった。 【次ページ】人気は最強「無印」を脅かす、急速に業績を伸ばす「因縁のライバル」
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