フリーライター 井上 猛雄
1962年東京生まれ。東京電機大学工学部卒業。産業用ロボットメーカーの研究所にて、サーボモーターやセンサーなどの研究開発に4年ほど携わる。その後、アスキー入社。週刊アスキー編集部、副編集長などを経て、2002年にフリーランスライターとして独立。おもにロボット、ネットワーク、エンタープライズ分野を中心として、Webや雑誌で記事を執筆。主な著書に『キカイはどこまで人の代わりができるか?』など。
20世紀以降における工業技術のグローバルな発展に伴い、化石燃料の大量消費が始まり、環境に対する深刻な問題が起きている。山積する問題を解決するために、トヨタ自動車は「省エネルギー」「燃料多様化への対応」「エコカー」というテーマを掲げ、“サステイナブル・モビリティ(環境に配慮した持続可能な乗り物)”の実現に向けた取り組みを進めている。トヨタ自動車 専務役員 奥平総一郎氏は、「省エネ・燃料電池への対応はハイブリッド技術が鍵だ。次世代環境車は、燃料やパワートレインの特徴を活かした使い方が重要。これに合わせて電気グリッド・水素グリッドを組み合わせた“ハイグリッド(Hygrid)社会システム”が生まれる」と示唆する。
伊藤忠エネクスは、LPガスの卸売販売実績で国内屈指のディーラーとして知られている。同社は、長年にわたり、保安点検業務の結果を調査票に記入していたが、手書きによるミスや非効率などの課題を抱えていた。それらを解決するために、基幹システムと連携するモバイル端末を導入し、現場のデジタル化を推し進めた。そこで採用されたのが、オープンストリームが提供する業務システム向けWebプラットフォーム(業務専用ブラウザ)「Biz/Browser Mobile」であった。先ごろ開催された「Biz/Browser Re:Style Day 2013」に登壇した同社の内藤圭亮氏は、「Biz/Browser Mobile」を活用した自社の成功体験や、モバイル端末を活用したソリューション連携、今後の展望などについて紹介した。
最近では、ビジネスとITがより密接な関係になり、ITの遅れがビジネスの遅れに直結するケースも出ている。そのため、市場変化に応じた新サービスの展開を考えるときに、ITがボトルネックになってしまってはビジネスが立ち行かなくなってしまう。こうした問題を解決したのが「アジャイル開発」だ。しかし、アジャイル開発を駆使しても、その後の運用体制が整っていないために、早期にサービスインできなかったり、最終的なサービスの品質に結びつかないといった「アジャイルサンドイッチ」の問題が出てきた。こうした中で注目されているのが「DevOps」というキーワードだ。野村総合研究所 ITロードマップセミナーに登壇した田中達雄氏は、DevOpsの重要性や、米国先端企業の成功事例、具体的なDevOpsの取り組み方法と注意点について解説した。
外交・安保問題の第一人者で、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授もつとめる外交ジャーナリストの手嶋龍一氏は、大きな情勢をやや保守的な立場から読み解く1つの視点として、「インテリジェンス」の重要性を指摘する。いま日本では日本版の国家安全保障会議、いわゆる日本版NSCの設置が検討されているが、国でいえばNSCから得られる選りすぐられた情報、即ちインテリジェンスがリーダーの決断を誤りなく導く拠り所なのだという。手嶋氏は、グローバルでの新たな動きを読み解くとともに、リーダーたちの決断、それを支えたインテリジェンスを確立する体制づくりについて、「日立イノベーションフォーラム 2013」で言及した。