- 2014/01/20 掲載
大手スーパーマーケット バロー「OSや端末にとらわれない業務システムを実現」
ハンディターミナル業務システムに威力を発揮する「Biz/Browser」
オープン系の新店舗システム移行に伴い、フロントエンドに「Biz/Browser」を導入
同社の店舗システムは、ペットショップ以外のスーパーやホームセンターで導入されているが、そのシステム化は1997年からのメインフレーム導入によってスタートした。当初、店舗システムにはクライアント/サーバシステムを導入し、従業員はカシオのハンディターミナル「CASIO DT900」によって商品を管理。スキャンしたコードをクライアントサーバシステムでアップし、本部側のシステムに送るというシンプルなものだった。
その後、2008年に清水の舞台から飛び降りる気持ちで、これまで使っていた枯れた自社システムを、UNIXをベースとしたオープン系の新店舗システムに移行したそうだ。システム要件としては、まず店内で業務をすべて完結したかったという。
「従来のシステムでは、店内でバーコードをスキャンし、お客様に背を向けてバックヤードに戻ってデータのアップロードやダウンロードの作業を行っていました。店舗内と検収所の往復をなくしたかったのです。またデータを即時反映し、他のPDAと共有したいという思いもありました。データベースに情報を書き込み、入力データを常にリアルタイムで参照できることは重要な要件でした。現場で商品の発注をかけようとしたときに、すでに処理していることがわかれば重複発注になりません。また発注や棚卸の経過がわかり、取引先が精算の段取りをして事前に処理することもできます」
このような要件でいろいろと検討した結果、Webプラットフォームとして白羽の矢が立ったのが、アクシスソフト(2013年にオープンストリームと合併)が提供する「Biz/Browser」だった。
導入コストを1円でも安く!多様なデバイスの選択肢が広がる「Biz/Browser」が貢献
「Biz/Browser」は業務システムに特化しており、Webシステムを効率的に操作・運用するためのフロントエンドとして機能するプラットフォームだ。導入の決め手になった理由は5つある。まず前述のように、バックヤードでの入力データのダウンロードやアップロード作業を廃止することができた。本部センターではマスタデータのダウンロードも行っており、それだけでも時間がかかっていたが、端末からダイレクトに作業が可能になった。次に「Biz/Browser」ならばバージョンの統一が行えるというメリットもある。起動時に最新版のプログラムを自動配布できるため便利だった。リッチクライアントは「Biz/Browser」の特徴の1つだが、バローにとってはオフライン作業に対応することも大きかった。「商品の棚卸は必ずしも無線電波が届く場所だけで行うものではありません。冷蔵庫や冷凍庫などシールドされた庫内での作業が発生します。そういうところでも『Biz/Browser』ならばオフラインで入力が行えます。オフライン時はローカルのPDAにデータが蓄積され、無線につながると自動更新される仕組みです」
また「Biz/Browser」はレスポンスのスピードも速かった。「.NETでWebアプリケーションを作成して確かめてみると、当時の非力なPDAでは表示速度が遅く、あまりパフォーマンスがでませんでした。しかし、『Biz/Browser』は画面類がすべてキャッシュされ、業務データのみがパケットとして行き交うため、非常に高速なレスポンスが得られました」(畑中氏)。さらに機種変更への対応が柔軟だった点も決め手になった。やはり価格は重要な要件だ。安くて性能のよい端末があれば、積極的に採用していきたいという同社の方針があった。
実際にPDAについては、現時点(2013年11月)で計1250台が導入されているが、最初に富士通製のPDA(Windows CE5.0)を採用し、後からシャープ製のPDA(Windows Embedded 6.0)なども利用したため、全店舗には複数のOSが混在する状態だった。畑中氏は「小売業というのは、文字通り“小さく売って儲ける”という商売で、コストにはとても敏感な業種です。導入コストを1円でも安くしたいという思いで機器選定を行っており、結果として複数のメーカーが混在していました。そこで端末を変えてもアプリケーションを大幅に改修する必要がない『Biz/Browser』は魅力的でした」と説明する。
【次ページ】店舗と本部のネットワークを業務系と情報系で二重化することで可用性を担保
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