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日本の製造業に足りない「昭和式からのアップデート」、改革の進め方とは

かつて日本の製造業はその優れた品質により世界を席巻してきたが、現在は厳しい局面を迎えている。大量生産・大量消費の時代が過ぎ、「小ロット・個別受注・短納期」が求められる現在、従来のものづくりのあり方を刷新しなければ企業競争力を失ってしまいかねない。では、これからの製造業はどのような視点を持って変革に臨むべきなのか。製造業およびそのテクノロジーの動向に詳しいフロンティアワン 代表取締役の鍋野 敬一郎氏に聞いた。

「作れば売れる」時代は終わり、限界が生じつつある昭和的発想

 昭和の高度経済成長期は、日本の製造業の全盛期だった。需要拡大も相まって市場が国内から海外へ広がり、生産能力を一気に高まっていた時代だ。しかし、大量生産・大量販売による利益拡大が可能な「作れば売れる」時代はすでに終わりを迎えつつある。少子高齢化による国内需要の減少や、海外からの安価で高品質な製品の大量流入という状況の中、小ロット生産、個別受注、短納期対応などの工夫で顧客の需要に応えながら、十分な売上を確保するのが難しいのが現状だ。

 さらに、製造業を取り巻く環境も大きく変化している。特に昨今では新型コロナウイルス感染症の拡大によってサプライチェーンの脆弱性が露呈したことで、サプライチェーン強じん化の重要性が認識されることとなった。フロンティアワン 代表取締役の鍋野 敬一郎氏は昭和から令和にかけて変わりゆく製造業の動向をこう振り返る。

「これまで日本の製造業は、どのように原料を調達して売るのかに注力してきましたが、現在ではこの考えだけでは限界が生じつつあります。さらに、地球環境への影響から今後はサステナビリティとものづくりの品質という双方の視点から取り組む必要があります」(鍋野氏)

 今後、日本の製造業がサプライチェーンを再構築するには、どのような取り組みをすべきか。以降では、製造業が置かれている現状を整理した上で、そのポイントについて解説する。

この記事の続き >>

  • ・製造業の4割以上がサプライチェーンの途絶を経験
    ・なぜコロナ禍でサプライチェーンは崩壊したのか
    ・アップデートすべきサプライチェーンの概念
    ・製造業の生き残りのカギを握るもの
    ・脱炭素とデータ活用による進化、2030年に向けたものづくり改革

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