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  • 2022/10/20 掲載

メタバースビジネスの事例16選、どんな種類のサービスがある? 参入企業をまとめて解説

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近年、さまざまな分野の企業が、新たなビジネスチャンスを求めて、メタバース空間での事業開発を進めている。なぜメタバースが注目されているのか。メタバースの定義や歴史などの基本的な知識から盛り上がっている背景や現状について、サービスの先進事例も交えて、アビームコンサルティング 金融ビジネスユニット マネージャーの内田悠介氏に話を聞いた。
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メタバースのグローバルでの市場規模
(後ほど詳しく解説します)


メタバースとは何か? 定義と注目を集めている背景とは

 メタバース市場が急拡大している。アビームコンサルティングが、米国の総合情報サービス会社であるBloombergの推計をもとに作成した資料によると、メタバースの市場規模は2020年の4,787億ドルに対して、2024年には7,833億ドルになるとの予測が出ている。また、米国のリサーチ会社であるEmergen Researchの予測によると、2028年には8,289億ドルに達すると試算されているのだ。

 そもそもメタバースという言葉が登場したのは、1992年に発表されたSF作家ニール・スティーブンスン氏の小説「スノウ・クラッシュ」によってだった。超越したという意味の「Meta」と、宇宙・全空間という意味の「Universe」を掛け合わせた言葉が語源である。

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図表1:メタバースの定義
(出典:アビームコンサルティング)

「メタバースを『超越空間』と定義してしまうと、さまざまなものがメタバースに該当してしまいます。メタバースの定義は確立されていませんが、検討を開始する上では『バーチャル上の3D空間』程度で捉えていただければ良いかと思いますので、この定義に沿って説明していきます」(内田氏)

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アビームコンサルティング
金融ビジネスユニット マネージャー
内田悠介氏
 1992年に生まれた言葉が注目を集めるようになったのは、米国のリンデンラボ社が提供しているサービス「セカンドライフ」の登場によってだった。セカンドライフとは、ユーザーが現実とは異なる生活を送ることができる、インターネット上の3Dの仮想空間である。2007年に日本に入ってきて注目を集めたが、2008年には下火になった。

「セカンドライフが衰退したのは、PC性能要求が高かった点、またネットワーク上の制限が大きかった点が主な理由として挙げられます。近年メタバースに注目が集まっている背景には、技術的な課題の解消が挙げられるでしょう。デバイス、ソフトウェア、ネットワーク、サーバーの環境整備の実現が大きいと考えます」(内田氏)

 メタバースを「バーチャル上の3D空間」と定義した場合に、さらにスコープによって細かく分類できる。横軸を仮想現実とデジタルツイン、縦軸をXRの有無と設定したのが、下の表である。

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図表2:スコープによるメタバースの定義
(出典:アビームコンサルティング)

 横軸の仮想空間はリアルとの相対がない世界で、デジタルツインはリアルとの相対がある世界だ。ミラーリングと呼ばれることもある。縦軸は、VR・MR・ARなどのデバイスを使っているか否かが基準になっている。

「XRの使用がないものを、メタバースと定義すべきかどうかが議論の対象になることがありますが、ここでは広くXRの有無に関わらず、メタバースと定義しています。つまり上の表の四象限すべてがメタバースとして、話を進めていきます」(内田氏)


なぜ今メタバースなのか? PESTの観点から解説

 メタバースが注目を集めている要因は、PESTの観点から説明できるだろう。PESTとは、政治(Politics)・経済(Economy)・社会(Society)・技術(Technology)という4つの英単語の頭文字の略語である。

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図表3:スコープによるメタバースの定義
(出典:アビームコンサルティング)

 技術面ではPC性能の向上、5G普及によるネットワーク性能の改善、さらにはヘッドセットの軽量化などがあげられる。社会面では、10代から30代の間で、仮想空間での仕事や娯楽を希望する傾向が顕著になってきていることが挙げられるだろう。

 また、経済面でも市場規模が急拡大して、さまざまなビジネスモデルの開発が進行している状況がある。現時点でPESTの中で最も遅れているのが、政治の項目ということになるだろう。

「技術面ではテクノロジードリブンでさらに進んでいくと認識していますし、社会面でもメタバースは今後さらに受容されるでしょう。経済規模も成長していくと予測されます。政治面での課題があるものの、今後法整備が進んでいくでしょうし、全体としては成長していくと考えています」(内田氏)

なぜ今メタバースなのか? 関係する事業者の多さから解説

 多様なステークホルダーが存在していることも、メタバースの成長を後押ししていくことになるだろう。

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図表4:メタバースにおけるステークホルダー
(出典:アビームコンサルティング)

 メタバースのステークホルダーとして考えられるのは、ユーザー、デバイスメーカー、コンテンツ提供者、サービス提供者、ファイナンス提供者、イネーブラー、インフラ提供者、ルールメーカーと、多種多様である。

 デバイスメーカーやサービス提供者は、先行者利益を期待できる領域と言えるだろう。コンテンツ提供者やファイナンス提供者は、メタバースの中で確立された仕組みに対応したサービスを提供する必要があるため、単純に早く参入すれば良いというものではなさそうだ。

「どの立場で参入するかによって、参画のタイミングの判断も変わってきます。先行優位があるのか、ある程度環境が整ってから参入すべきなのか、他社との差別化が必要なのかなど、さまざまな要素を考慮した上で見極める必要があるでしょう」(内田氏)

【次ページ】【カオスマップ】メタバースビジネスの事例16選

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メタバースサービスを分類するとどうなるのか?(次のページで詳しく解説します)

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