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- 2022/10/20 掲載
「驚異の利益率77%」日本人が知らない“超儲かり企業”の正体、なぜ若者が骨董に夢中?
斜陽産業かと思いきや……中国で成長する骨董市場
国際的な美術品、アンティークのオークションで、中国人コレクターが大きな存在感を示すようになって久しい。それは日本の美術品市場、骨董品市場でも同じで、一部では「お宝の中国流出」が問題になっているほどだ。もちろん、中国国内でも骨董品取引は盛んだ。北京市には4.85万平方メートル(東京ドームとほぼ同じ)という広い敷地の常設骨董市場「潘家園」があり、近隣にはいくつもの取引業者の入ったビルが立ち並ぶ。大都市には常設骨董市場があり、地方都市ですら骨董市が週末などに定期的に開催されている。
しかし、美術品、骨董品を投資対象と考える人は増えているものの、純粋な趣味として楽しむコレクターの数は減少傾向だと言われていた。世界共通だろうが、若い世代は骨董品にあまり興味をもたない。これにより、骨董人口の高齢化が進み、長期トレンドでは縮小やむなしの市場とも言われていた。
ところがこの数年、若い世代が骨董市場に流入するようになり、成長軌道に乗っている。なぜ若者たちが骨董に興味を持ち始めたのかは、後ほど詳しく触れる。
驚異の利益率76.9%、オンライン骨董企業の正体
そのような中で、骨董品のオンライン取引プラットフォームである「微拍堂」(ウェイパイタン)が香港証券取引所に上場申請を行い、成功すれば骨董関連では初の上場企業となる。中国国内でこのニュースは別の側面でも大きな話題となった。微拍堂が上場のために公開した目論見書によると、2021年の利益率が76.9%と判明し、「骨董とはそんなに儲かるビジネスなのか!」と話題になっているのだ。いくら仲介をするだけのプラットフォームビジネスだとは言え、驚異的な利益率であることから、投資家たちは、すでに第2、第3の微拍堂を探し始めている。
微拍堂が扱っている品目は「茶器」「翡翠・装飾品」「文具」「古銭・切手」「絵画・彫刻」「茶葉・古酒」「工芸品」「ハト・鯉・観葉植物」など。これをオンラインオークションまたはライブコマースオークションで売買取引の仲介をする。
微拍堂が香港証券取引所に提出した目論見書によると、2021年の流通総額(GMV)は405.27億元(約8,200億円)、営業収入は97.83億元(約1,960億円)にもなる。骨董市場のオンライン取引浸透率は21.9%。微拍堂はオンライン骨董取引市場の24.4%を占める業界のトップ企業だ。
【次ページ】骨董品のオンライン取引企業がここまで成長した「4つの理由」
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