人工知能(AI)の進化は、現存する社会的課題の解決に役立つと期待されている。その一方で、「将来的にはAIが人間の仕事を奪う」と懸念する声もある。時代を変革する新たな技術が登場したとき、その技術によって享受されるメリットだけでなく、リスクにも目を向ける必要がある。先ごろ開催されたAIの国際シンポジウム「AI and Society」では、AIがもたらす「リスク」について、多角的な視点から議論が交わされた。
登壇した東京大学教授・理研AIP社会における人工知能研究グループ長の中川 裕志氏(右)、IBMトーマスワトソン研究所 上級研究員・パドヴァ大学教授のFrancesca Rossi氏(中央)、モデレータはケンブリッジ大学・CSER エグゼクティブディレクターのSeán Ó hÉigeartaigh氏(左)が務めた。なお、グーグルディープマインド・FLI共同創設者のViktoriya Krakovna氏は撮影不許可のため写真はない
冒頭、モデレータを務めたケンブリッジ大学The Centre for the Study of Existential RiskでエグゼクティブディレクターのSeán Ó hÉigeartaigh氏は、「今後の世紀で人間にとって最大の危機は何か、それはAIによってもたらされるのだろうか」と問題提起した。
モデレータを務めたケンブリッジ大学・CSER エグゼクティブディレクターのSeán Ó hÉigeartaigh氏